ファスナー大手のYKKは2017年4月1日付で、新社長に大谷裕明・副社長ファスニング事業本部長(57)が昇格する人事を発表した。猿丸雅之・社長(65)は代表取締役副会長に就く。猿丸社長は2011年に創業家以外では初の社長に就任。米国勤務が長く、1990年代後半から世界中に散らばる同社の拠点で、同一のサービスを展開するグローバルマーケティングを実行するなど、YKKのグローバルブランドの地位を盤石にする基盤を作った。2013年度からスタートした中期経営計画ではファスナー販売の年100億本を掲げ、高価格帯からファストファッションまで全方位で拡大する戦略をスタートしていた。大谷新社長は中国勤務が長く、ファストファッション攻略の陣頭指揮を執ってきた。後任のファスニング本部長には、松嶋耕一YKKバングラデシュ社長が就く。