ファッション
連載 パリ・コレクション

今、パリコレは若手が面白い!第3弾「Y/プロジェクト」

 ここ数シーズンのパリ・ファッション・ウイークでは、「ヴェトモン」や「コーシェ」など新たな才能が続々と頭角を現している。2017年春夏はそんな若手デザイナーたちの活躍が定着し、彼らのブランドがパリコレ序盤の大きな目玉になった。ここでは、特に今後の飛躍が期待される実力派4人を直撃。クリエイションに対する姿勢や思いに迫る。第3弾は、「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」のグレン・マーティンス。彼が作る極端なプロポーションのウエアはショーでは圧倒的なインパクトを放つが、一点一点よく観察すると、「着る人に合わせて変化する服」を追い求める彼の哲学が詰まっている。

誰が着ても同じに見えるアーミーを作りたくはない

WWDジャパン(以下、WWD):2017年春夏コレクションでは、デニムやボディコンドレスといったクラブキッズの定番アイテムに、コルセットやパールなどのブルジョワ的な要素が盛り込まれていたが、テーマはどのように決めた?

グレン・マーティンス(以下、マーティンス):最初から一貫したストーリーを作ることはあえてしないんだ。インスピレーション源はストリートカルチャーだったり、歴史だったり、色々あるけれど、とにかく何でもミックスしちゃうのが僕のクリエイションに対する基本スタンス。だから完成したコレクションにもストリートからテーラード、ドレッシーまで、幅広いスタイルがそろっている。そんな組み立て方が今の時代に合っていると思うんだ。街に出れば色んな国籍の人が行き交っているし、僕たちのムードだってコロコロ変わるよね。僕も日によってビジネスマンになることがあれば、デザインチームのリーダーになることもあるし、ティーンみたいな気分に戻る日だってある。

WWD:インスピレーションはどこで得ている?

マーティンス:メトロに乗るのが好きなんだ。「地下鉄なんて耐えられない」という人が多いけどね(笑)。あそこにはファッションやアート業界とは関係のない人たちもいて、本当に多様性のある空間。人々のリアルなスタイルを見ることで新鮮な気持ちになれるし、新しい気付きを得られることもある。

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