2017年春夏は、豊かな色や柄、女性らしさを演出する新たなフォームがランウエイを席巻したシーズンだった。中南米、アフリカを思わせるビビッドなカラーやトロピカルなモチーフ、柄や刺しゅうが多く登場し、ファッションの楽しさを謳歌するマインドが再び盛り上がりそうだ。国内の有力セレクトショップバイヤーに、買い付けのテーマやキーワード、スタイリングのポイントや注目ブランドについて聞いた。
「旅で出会うあらゆるアイテムを取り入れる女性」
根岸由香里/ロンハーマン事業部長兼ウィメンズディレクター
バイイングトリップの前に浮かんだキーワードは“発見”“経験”“地域特有のもの”。旅をしながら、それぞれの地域特有のものをワードローブに加えていく女性像を描いた。キーカラーはイエロー×ブラックや、夏に着る濃いパープル、バリエーション豊富なグリーンなど。いつも以上に豊かにそろう色と素材で、ファッションのおもしろさをいつも以上に感じてもらいたい。
今季はベーシックアイテムにも変化がある。ボトムスは、「ロンハーマン」の定番であるデニムよりもさまざまなシルエットのチノパンをプッシュ。カットソーもクルーネックのTシャツより、リブのキャミソールやハイネックのノースリーブ、スクエアネックのノースリーブ。その他の注目アイテムは、街でもリゾートでも着られるサマードレス、インドスカーフ。「コミュニティーマーファ」の大判のインドスカーフは3枚を組み合わせてボリューミーなスカートにするなど、いろいろな着方を楽しんでもらいたい。「ラルフ ローレン」のオートクチュールにも携わるデザイナーによる「ボニーヤング」からは、スパンコールをハンドステッチで飾ったジャケット(98万円)をピックアップ。これを筆頭に、他では見られない特別な商品も用意する。その他新規取り扱いのイチオシは、「クリスタセヤ」を手掛けた瀬谷慶子デザイナーが新たに始動する「セヤ」、街でもビーチでも着られるドレスがそろう「メルレッテ」。
アクセサリーもレッドやオレンジ、パープルなどさまざまなカラーを買い付けた。新規導入のシューズのイチ押しは、現在もカプリ島で生産を行う唯一のカプリサンダルブランド「カンフォラ」。ジャクリーン・ケネディ元アメリカ大統領夫人がはいていたモデルを、茶色のレザーで別注した。エクスクルーシブで展開する南米ブランド「メルセデス」では、雑材にフルーツモチーフを飾ったクラッチバッグやアクセサリーをそろえる。小物はクスッと笑えるものも多く買い付けている。