打ち込み系の機材を使用し、自宅で録音を行う“宅録女子”が話題となっているが、その中でも2016年秋に、アルバム&フォトブック「ル・ジップ」をリリースしたマイカ・ルブテは、独特な世界観を持ち、クリエイターからの支持も厚い。ファッションやビューティ業界関係者からも注目度が高く、今後ますます活躍の場を広げていくだろう彼女にルーツ、ファッション、美容について聞いた。
(スタッフクレジット)
PHOTO BY KO-TA SHOUJI
WWDジャパン(以下、WWD):まず音楽を始めたきっかけは?
マイカ・ルブテ(以下、マイカ):5歳からピアノを習いはじめ、クラシック一筋でコンクールに出たりもして、本気でやっていたのですが、14歳の時に母親が買ってきた「ビートルズ」のベストアルバム「1」を聞いてから「ポップソングっていいな」と思い、そこからのめり込んでいきました。ただ、すぐに「バンドを組もう」という流れにはならず、一人で家庭用シンセサイザーを使って、曲を作り始めるようになりました。本格的に宅録(自宅録音)を始めたのは大学生の時から。本格的に機材もそろえ打ち込みをやりはじめました。その時期から「将来は音楽でやっていきたい」と考えるようになり、卒業後もずっと曲作りは継続していました。ある程度曲がたまってきた時に、クラウドファンディングで資金を募り、2014年12月にソロ名義では初のCDをリリースしました。
WWD:今秋発売したアルバム「ル・ジップ」が、話題となっているが?
マイカ:「ル・ジップ」は前作から心機一転、新しい気持ちで作ったアルバム。ルブテの表記も「Leboutet」から「Loubté」に変え、自分に正直に、いま自分が聞きたい曲を作りました。聞いた時に時間があっという間に過ぎるような曲が理想で、そういった曲をこれからも追求していきたい。CDに付けたビジュアルブックは友達のクリエイター、Mitch Nakano君や篠宮ユカリさんなどと相談しながら制作。おかげさまで評判もよくてうれしいですね。
WWD:最近は雑誌にも登場するなど、ファッション業界から声もかかるようになったと思うが?
マイカ:先日は「アニエスベー」でインストアイベントに呼ばれて演奏しました。「シブカル〈秋〉祭。」では「ホワイトリリー」のファッションショーのバックで生演奏をしたのですが、それがすごく楽しくて、そういったことにもっと挑戦していきたいです。
WWD:自身のファッションについては?
マイカ:流行は気にせず、気分に合っているかどうかを大切にしていますね。基本的には古着が好きなのですが、最近だと「RPLC(レプリカ)」というストリートブランドもお気に入りで、ボーイッシュな雰囲気のスタイリングが多いです。
WWD:美容で気を使っていることは?
マイカ:肌荒れとか目の下のクマとかいろいろコンプレックスがあります。ただ、それは、誰かが作った美しい基準と比較して、自分はダメだって考えてしまいがち。でも、本当の美しさは内側から出るもので、表情やしぐさに人は惹かれるはず。見た目ばかりを意識せずに自分のできる範囲での美容を心がけています。自分のパーツでは、眉毛と前歯がお気に入りで、褒められるとうれしいですね。
WWD:化粧品はどういったものが好き?
マイカ:肌が弱いので、化粧品はナチュラルなものが好きで、「コスメキッチン」などはよく行きます。
WWD:よく行くヘアサロンは?
マイカ:いろいろなヘアサロンに行っていて、「あの人に会いたい」といったように気分で変えています。昔はクセ毛が気になっていて、それこそストパーとかかけたりもしていたのですが、最近はよくクセ毛がほめられるようになって、うれしいです。
WWD:最後に今後の目標は?
マイカ:国内外いろいろなフェスには出演したいのと、海外での活動をたくさんやっていきたいです。12月に初めてパリでライブをやってすごくいい経験ができました。音楽は人種とか国に関係なく、みんなが楽しめ、一つになれるもの。私の音楽が海外でも受け入れられるとうれしい。初めて海外に転校した時に、音楽ができたから言葉が通じなくても認められました。そういった経験があるから、音楽でコミュニケーションができると思っています。これからも自由でありたいし、作る音楽も進化させていきたいです。