百貨店大手5社の12月度の売上高は、三越伊勢丹が前年同月比1.9%減、そごう・西武が同2.3%減、大丸心斎橋店の本館が建て替え工事中の大丸松坂屋百貨店が同2.1%減、阪急阪神百貨店が同1.3%増、高島屋が同0.6%増だった。
円安などの影響もあり、インバウンドの化粧品の伸びが目立った。11月は気温が下がったことにより、コートなどの重衣料が好調だったが、12月は婦人・紳士ともに衣料品の売り上げが低迷した店舗が多かった。
三越伊勢丹は、伊勢丹新宿本店が婦人衣料(スカート、ブルゾン)や雑貨、リビングが好調で5カ月ぶりに前年実績を上回る0.1%増だった。紳士衣料ではウールコートがマイナス、ダウンコートなどの非ウールコートが1.1%増だった。化粧品は、基幹3店(三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹新宿本店)で6.6%増、免税売り上げが8%増と好調だった。顧客内訳は自社カード顧客がプラス、インバウンドも売り上げは減少したものの、客数が2ケタ近く伸びた。
大丸松坂屋百貨店は、大丸心斎橋店の本館の影響を除いた数値で、プラスに転じた。婦人コートの動きが鈍ったものの、ラグジュアリーブランドが売り上げをけん引。化粧品では日本人客の消費も活発で、2ケタ増だった。東京店が4カ月連続でプラスになった他、メンズ売り場の改装効果が続く名古屋店、梅田店、京都店、神戸店、札幌店も前年実績を上回った。
阪急阪神百貨店は、16年7月度以来のプラスに転じて1.3%増だった。阪急うめだ本店が4.3%増、阪急メンズ大阪が1.5%増、阪神本店が売り場面積の縮小などにより4.1%減だった。阪急うめだ本店では、婦人衣料が11月に引き続いて好調に推移し、全体で1割増だった。ラグジュアリーでは30万〜50万円台のジュエリーやバッグが、クリスマスのギフト需要などもあり2ケタ増。インバウンドは売り上げが1割増だった。特にコフレが人気で、6割増で推移した。
そごう・西武は、婦人・紳士ともに秋冬物の衣料品が伸びなかった。化粧品は好調で、クリスマス需要もあり、ポイントメイクが2ケタ伸長で推移。生鮮や菓子などの食品も好調だった。
高島屋は、前月に続き2カ月連続でプラスだった。免税の化粧品と宝飾品がよく売れ、新宿店が同3.8%増、大阪店が同5.4%増だった。新宿店では、12月1日に「タカシマヤタイムズスクエア」内にニトリが出店したことで、買い回る客が増えた。