良品計画の2016年3~11月期連結決算は、売上高が前年同期比8.8%増の2465億円、営業利益は同14.5%増の296億5100万円、純利益は同16.7%増の199億9600万円。営業利益は6期連続の増益、5期連続の最高益更新を達成した。
松﨑暁・良品計画社長は、「増益の理由は、円高により商品の海外調達コストが下がったことや、ベンダ-数を減らし一社あたりの取引量を上げたことで原価率を下げることができたのが大きい。15年に生産拠点を中国から、関税の減免措置を受けないASEANに移したことも寄与した」とコメント。
2017年の展望については、「所得が増えている実感がなく、依然、価格には厳しい市場。一方、ヘルス・アンド・ビューティやハウスなどのジャンルで安定的な成長を見込んでいる」と松﨑社長。
17年春夏からは、既存商品よりも値ごろな価格帯の商品を順次発売予定。中心価格帯やアイテムなどの詳細は明かしていないが、戦略商品について、「タオルのような商品は何種類もそろえるのではなく、今後は『無印といえばコレ』というものをマーケットに出していきたい」と話す。また、オフィス向け家具の強化にも意欲的だ。「家具商品のテーマは『感じの良いくらし』。オフィスにいる時間もくらしの一部と考えており、お客さまには仕事中もいい環境で過ごしていただきたい。まずは自社での導入から、オフィス環境に必要な商品を把握し拡充することが最優先」。
今年の初売りについては、「今年から店頭での福袋販売をやめ、伝統工芸品と2017円オフのギフトカードが入った“福缶”の販売を強化したところ、反応がよく、昨年の福袋の売り上げを超えた。初売りからお客さまが本当に欲しいものを提供することができた」と話す。