レディー・ガガ(LADY GAGA)のワールド・ツアー「アートレイヴ:アートポップ・ボール・ツアー(LADY GAGA'S artRAVE the ARTPOP)」の来日公演が8月13日、千葉市幕張のQVCマリンフィールドで開催された。2013年11月にリリースした4thアルバム「アートポップ(ARTPOP)」を引っさげたワールド・ツアーの一環で、ガガの来日は同アルバムのプロモーション以来9ヵ月ぶり8回目。ライブとしては12年の「ボーン・ディス・ウェイ・ボール・ツアー」以来2年3ヵ月ぶりとなる。「アプローズ」「ドナテラ」「ジプシー」など最新アルバムの楽曲を中心に「ボーン・ディス・ウェイ」「ジャスト・ダンス」「ポーカーフェイス」といった代表曲を織り交ぜて全19曲、1時間半のライブを繰り広げた。主催者発表3万5000人が来場した。
ガガはステージでの生着替えを含む全7衣装を披露。スパンコールのボディスーツの腹部に「アートポップ」のジャケット写真のような大きな青い球体を埋め込んだルックを始め、同ツアーヴィジュアルにもなった貝殻ビキニも着用。パワーショルダーの純白アーマーコスチュームは、スカートを着脱するとレオタードに早変わりし、激しいダンスナンバーにも対応する。タコのような足が無数に生えた白黒ドット柄の巨大プルオーバーでも登場した。黒エナメルの2ピースコスチュームでは色香を放ち、ネオンピンクで縁取ったシースルートップスと幾重のフリルにネオンイエローを重ねたスカートのルックでは、サブカルチャー色を漂わせた。アンコールではウエディングドレスを彷彿とさせる衣装も登場した。ライブの内容では、今回はガガのダンスとヴォーカリゼーションが主軸にある印象だ。前回の「ボーン・ディス・ウェイ・ボール・ツアー」がそのメッセージ性の強さと呼応するようにライブの域を超えてミュージカルやテーマパークの様相まで呈したことに比べると、ガガの存在感が強い。ポップ・アイコンとして君臨する彼女の底力と、それに華を添える絢爛豪華な演出に酔えるライブだった。
会場につめかけたガガのファン、通称"リトルモンスター"たちも、ガガに負けじと個性的なファッションを見せる。柄を積極的に取り入れているのが特徴で、トレンドのボタニカルや花柄にとどまらず、スプレーで吹き付けたようなグラフィックや宇宙的な幾何学模様、トライバルなもの、自由の女神や国旗などアメリカンなモチーフ使いなど、さまざまな柄が入り乱れた。女性で目立ったのはフェティッシュなスタイルだ。スタッズを全面に施したブラトップに合皮レザーのスカートかホットパンツを合わせ、網タイツで完成させるボンテージルックが多数見られる。アイウエアやヘッドピース、ハーネスベルトなどのアクセサリーもデコラティブなものが多い。ブロンドとグリーンのウイッグや"CAUTION"テープを巻きつけるアイデアなど、ガガの過去の衣装もインスピレーション源として顕著だ。そのほか、女性同士のペアルックもトレンド傾向にある。イベントのための「衣装」として友達と楽しむ人が多く、ファストファッション・ブランドを有効活用したり、ガガを連想させる派手なものは自前でカスタムメードしての調達が多かった。コスプレ気分に近いという。この気分を象徴するように、会場内の各所で個性的なファッションの"リトルモンスター"に群がるスナップの人だかりができていた。撮影後にはSNSへ投稿する人も多い。非日常的なファッションを楽しむイベントとしても、ガガのライブは機能しているようだ。
ガガの来日ライブは、明日14日も同会場で開催される。オープニングアクトには本日も登場したLADY STARLIGHTに加え、日本勢からももいろクローバーZが参戦する。