TSIホールディングスは、傘下のナノ・ユニバースとローズ バッドをてこ入れする。ナノ・ユニバースの72店舗(2016年11月末時点、アウトレット含む)のうち10店舗前後の不採算店舗を今期(17年2月期)から来期(18年2月期)にかけて閉める。同様にローズ バッドも数店舗を撤退する見通しだ。両社はこれまでTSIの稼ぎ頭だったが、16年上期(3~8月期)にはナノ・ユニバースが赤字に転落。TSI主導による収益率の向上とグループのシナジーを生かした再成長を目指す。
16日に行われたTSIの16年3~11月期決算説明会で齋藤匡司・社長が明らかにした。TSIは今年を「ガバナンス元年」と位置づける。これまで独自のビジネス手法を採ってきたナノ・ユニバースとローズ バッドにおいても、業務フロー、物流、ITインフラなどTSIと一体化した手法を採用し、全体最適を目指す。
ナノ・ユニバースではウィメンズのディレクターに「バナーバレット」などで実績を持つ二ノ宮和佳子氏の起用を決めた。齋藤社長は「もともとメンズが強いブランドだが、メンズがヨーロピアンモード、ウィメンズがコンサバ。テイストがバラバラなため、店舗でのカップルのお客さまの購買率も低かった。(ディレクター起用を機に)イメージを合わせていきたい」と説明する。TSIの「ナチュラルビューティーベーシック」などで成果を上げたNPS(ブランドのロイヤルティーを図る指標)、eNPS(会社に対する従業員のロイヤルティーを図る指標)も導入する。
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