銀座テーラー(東京、鰐渕美恵子・社長)の現役の職人が講師を務める「日本テーラー技術学院」は、4月開講の新コースを含む説明会と体験入学会を2月4日を皮切りに計4回開く。体験入学会は「採寸」コースと「縫製」コースのいずれか。現役の職人が採寸と縫製の実演を行う他、実際にスーツ作りを体験できる。
日本テーラー技術学院は、2006年の開校以来、多くの技術者をファッション業界に輩出してきた。学院生のバックグラウンドは、アパレル会社のパタンナーや衣装デザイナー、販売員などメンズスーツに関わる人に限らずさまざま。カリキュラムは「通年コース」と、「短期コース」の2種類。「通年コース」は1年を掛けて1着のスーツを丸縫い(1人で全行程を仕上げる)する。少人数制による徹底的なマンツーマン体制で、技術を磨き上げていく。同コースのカリキュラムを採寸、型紙、ジャケット縫製、パンツ縫製の4つに細分化し、さらに深く掘り下げるのが「短期コース」だ。受講者自身がコースを選択することで苦手な部分を克服し、強みを伸ばしていける。
婦人服をデザインする前沢祐子「リュンヌ(L’UNE)」デザイナーは、メンズスーツのルーツを学ぶため「日本テーラー技術学院」通年コースに入学。2013年度に同校を卒業した。授業の印象を「美しい洋服をつくるために、生地と生地の間に施す処理や、意図的な糸の緩みなど、全ての行程にハッとさせられた。中でも裁断士の先生が生地にフリーハンドで線を描く様子に、強く感動した」。在学中は宿題とノートの編集に週12時間ほど学習時間を作っていたという。卒業後は「私のデザインした洋服を形にするパタンナーと細かい要望や打ち合わせができるようになった。『裄綿(ゆきわた)位置まで指示するのは前沢さんだけですよ』と言われるほど。スーツ作りの原点に触れたことで、技術だけでなく、デザインを製品化する上で大きな影響を及ぼした」と話す。
■学院説明会&体験入学会概要(「縫製体験」、「採寸体験」の2コース、すべて定員制)
開催日:2月4日(土)、2月18日(土)、3月4日(土)、3月18日(土)
「学院説明会」
時間:13:00〜13:40
定員:20人
会費:無料
「縫製体験入学」
受講者が持参したパンツ(ウール・スラックス)の丈詰めや丈出しが体験できる。針の運び方や指貫きの使い方、股下調整やアイロンワークなど、老舗テーラーの技術が学べる。
※裁ち鋏、小鋏、指貫きをお持ちの方は、持参をお願いします。
時間:13:40〜15:00
定員:5人/回
会費:3000円
「採寸体験入学」
ベテラン裁断士の指導で、姿勢や肩の傾斜などを考慮した採寸が行える。その後ゲージ服を着用し、さらに細かい体型補正の体験ができる。最後は自身の採寸データを持ち帰ることができる。
時間:13:40〜15:00
定員:4人/回
会費:3000円
※各体験入学は事前申し込み制。定員に達したら見学(無料)で参加できる。
※会費は説明会当日の支払い。
■2017年度「日本テーラー技術学院」各コース詳細
通年コース
「技術者養成課程」期間:1年(週1回×48回)、開始月:4月
短期コース
「採寸コース」期間:1カ月(週1回×4回)、開始月:4、8、12月
「型紙コース」期間:3カ月(週1回×12回)、開始月:5、9、1月
「ジャケット縫製コース」期間:8カ月(週1回×32回)、開始月:8月
「パンツ縫製コース」期間:4カ月(週1回×16回)、開始月:4月
■問い合わせ先
日本テーラー技術学院
住所:東京都中央区銀座5-5-16 銀座テーラービルディング9階
TEL:03-3574-6891
MAIL:gakuin@gintei.com