パリでは今日から2017年春夏オートクチュール・コレクションが始まります。今頃春夏物?と、思われるかもしれません。昨日まで開かれていたパリ・メンズ・コレクションが2017-18年秋冬物ですから、季節をひとつ巻き戻し。混乱しますが、間違いありません。今日からスタートするオートクチュールは、今年の春夏物の発表です。
クチュールはある意味、“SEE NOW BUY NOW”の原点なんですよね。正確に言うと、“見て、すぐ採寸して、2カ月くらいかけて作ったものを受け取る”というリズムです。ショー翌日にショールームに行くと、顧客の皆さんが(大概、大勢の友達や家族、時々ペットと一緒に)、前日に発表されたクチュールの服のフィッティングをしています。目をキラキラさせながら!それを見ると“服作りの原点だな〜”と実感します。
参加ブランドはこちら。
最終日はハイジュエリー・デーというのがお決まりです。ドレスを選んだら、ジュエリーも必要ですからね。ゲストデザイナーに「ユイマナカザト(YUIMA NAKAZATO)」の名前があります。中里唯馬さん、クチュールでの2回目の発表です。ファイトです!
パリコレスケジュール表の最近の傾向として、公にされる印刷物やウエブ情報では、ショー会場の住所を明かさず「インビテーションを見てね(voir invitation)」とだけ書かれています。テロ以降にこうなりました。不便ですが、仕方ないです。だから、インビテーションを受け取ることが以前にも増して重要です。
ホテルにインビテーションが続々と届く中、ひと際変わったデザインがありました。「ヴェトモン(VETEMENTS)」です。こちらはクチュールではなく、2017-18年秋冬コレクション。ゲストデザイナーとしてクチュール期間にショー形式で発表します。「ヴェトモン」のインビテーションと言えば1年前の雨降る夜、ホテルの部屋に一輪のバラとともに手渡しで届き度肝を抜かれる(超怖かった)、という経験をしただけに、受け取る側の私としては“何か仕掛けがあるんじゃないの?”と身構えます。
ハイ、期待通り、変わってますね。メッセージ性抜群です。招待客の名前を入れたID風。ちなみに、名前欄には私の名前が入っています(フォークで隠しちゃいました)が、写真は私ではありません。あしからず。私、黒髪・前髪ぱっつんの日本人です。このIDについては、取得方法などを後ほどフランス在住の知人に聞いてみようと思います。リリースらしきものも同封されていて「STEREOTYPES」とあります。むむむ、これは。懐かしい。春の六本木の景色が蘇ります。それでは、また。こちらの連載、しばらくおつきあいくださいませ。