コーセーとプロフェッショナルメーカーのミルボンは1月25日、資本業務提携契約を締結した。同日には業務提携推進委員会を立ち上げ、6月1日をめどに両社の合弁会社を設立する。合弁会社の名称や資本金額、出資比率などは未定。
両社は、国内の化粧品およびヘア市場共に、人口動態による顧客の減少や異業種からの新規参入など競争が激しくなっている状況において、顧客満足度を高める商品の開発やグローバル展開の加速が重要であると認識。両社はさらなる攻めの経営戦略を打ち立てていくことが重要であるとの共通認識のもと協議を重ねた結果、事業規模の拡大を図ると共に両社の強みを持ち寄り、シナジー効果を発揮させることが重要との結論に至った。両社で事業環境に対する強固な事業基盤の構築を行い、「世界で戦える日本美容企業集団の競争力向上」に向けて資本業務提携に関する契約を締結した。業務提携により、美容室でのスキンケアやメイクアイテムの共同開発および国内外での販売、その他商品やサービスの共同開発および国内外での販売、グローバルな美容人材の育成と両社の持つマーケティング知見や市場開拓を国内外で活用するといった狙いがある。
今回の業務提携について、コーセーの小林一俊・社長は「当社は1963年から40年間ロレアルと業務提携を行ってきた。近年は販売チャネルの垣根がボーダレス化していると感じ、美容室でのお客さまとの接点も重要視していた。そういった点からも2003年以降、プロフェッショナルヘアメーカーへの参入を思い描いていたが、ミルボンはヘアデザイナーとの信頼関係の構築やお客さまの嗜好性を取り入れるための現場力、スタッフへの教育力が非常に高く、当社とも共通点が多い。美容室という新たなチャネルが加わることで付加価値を付ける」と期待を寄せる。ミルボンの佐藤龍二・社長は「現在、ヘアケアではエイジングに対するニーズの高まりがあり、スキンケアなど化粧品ともつながりがある。また、都市部サロンを中心にトータルビューティ提案型の店舗も増えている。そこで、美容に関するサービスを美容室で提供できれば、新たな市場や収益源になると考えた。物販といった“モノ”の販売ではなく体験型の“コト消費”を行う化粧品事業を新たな成長エンジンとしていく」と意気込みを語った。現段階では経営統合などは予定せず、“生涯美容”という新たな美容価値を提供し、「世界で戦える美容集団」の確立を目指す。
【関連記事】
■出荷総数1000万個のネイルブランド37の新作発売
■ケイト・モスが伊勢丹新宿本店に登場 化粧直しをする一幕も
■資生堂が米国ベンチャー企業を買収