「グジ(GUJI)」は京都、大阪を中心にグループで9店舗を構えるセレクトショップだ。関西では有名ブランドの販売代行も手掛け、クラシコ系を中心に数々のブランドを取り扱っている。セレクトするブランドの振り幅には定評があり、クラシコイタリアの定番ブランドをメーンにストリート系までカバーする。2月3日の新店オープンを控え、2017-18年秋冬のピッティ&ミラノでは何を感じ、次の潮流をどう捉えたのか。その審美眼に加え、多くのブランドが信頼を寄せる秘密に迫るべく、買い付けに同行した。
コヒーレンスフランクなムードで、大人が楽しめるショップ
いい意味で、個人商店的感覚を持ち続けている点に感銘を受けます。マーチャンダイジングに偏ると没個性的な店になる危険性が高い、大人向けゾーンの商品を取り扱っていますが、自分たちが好き、良いと思う感覚を尊重しています。シンプルで真剣な取り組みが、ポジティブな店作りに繋がっていると感じます。わずかな差異が命のクロージングを中心としたカテゴリーで知的な遊びが成立するのも、商品知識や販売力に長けたスタッフがいればこそでしょう。
ザ・ジジ時代をうまく取り入れるバランス感覚
スタッフ一人一人の個性が集まることで、常に新しい提案を続けています。時代をうまく取り入れながら、独自の解釈でトレンドを作り出していて、そのバランス感覚が素晴らしい。また、ファッション業界を盛り上げようという心意気を持ち、われわれディストリビューターにも愛情を注いでくれる。弊社が取り扱うブランドの成長に協力いただいています。一緒に前に進もうとする姿勢は、非常に心強いです。
クロケット&ジョーンズ知識豊富な接客術がブランド価値を高める
インポートからドメスティックまでの幅広い商品構成が魅力です。セレクトオリジナルの商品を展開するショップが多い中、とにかく仕入れにこだわっています。毎シーズン展開する別注アイテムは、カテゴリーにとらわれず、グジがいいと感じるスタイルをミックスして提案しています。また、素材や縫製、着こなしまでの知識が豊富な販売スタッフの接客術も見事なもの。ブランドのアイデンティティーを伝えることができます。
ヘルノ目利きのバイイングがブレないイメージを作る
洋服屋の醍醐味といえる、バイヤーの趣向を生かした品ぞろえが魅力です。目利きのバイイング、展示会での商談で発揮するスピーディーな判断力、発注イメージのブレの無さには脱帽です。クラスレスな品ぞろえを提案し続けることは、簡単なことではありません。バイヤーの着こなしも、クラシックな時があればストリートの日もあり、定義を理解した上で、自由にファッションを楽しんでいます。他に類を見ないショップです。
セラファン市場ニーズを徹底的に把握したバイイング
とにかく商品に対するバイヤーの目利きが優れています。市場ニーズを的確にキャッチするため、マーケティングを意識したバイイングをしている印象です。カテゴリーにとらわれないミックススタイルの提案も見事。クラシコイタリアとカジュアル、スポーツ、ストリートをミックスしたスタイルは、モノ作りの勉強にもなります。
コーベルトきめ細やかな配慮が信頼の基盤
ブランドがスタートした5シーズン前から取引しており、お互いに信頼関係が築けていると思います。日本のスタッフ同様、常にわれわれの立場に気を配ってくれると感じています。彼からは、「当時から常に新しいスタイルを提案し、マーケットを見極めたブランドをセレクトしている。トレンドに流されるのではなく、他のショップがセレクトしないような、デザイン性の強い商品をバイイングしてくれる」とも聞きました。
初のメンズ&ウィメンズ複合店「グジ エ ビリエッタ」オープン
グジは大阪店を現在のハービスプラザ地下1階から2階に移転し、リニューアルオープンする。グループ初のウィメンズとの複合店になり、店名も「グジ エ ビリエッタ」に刷新する。
■グジ エ ビリエッタ
住所:大阪市北区梅田2-5-25 ハービスプラザ2階
TEL:06-6343-7280
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