3日まで伊ミラノで開催中のファッション素材見本市「ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」は、2018年春夏のトレンドとして3つのテーマを打ち出した。共通のインスピレーションソースは“リベルタ(自由)”。ステファノ・ファッダ(Stefano Fadda)=「ミラノ・ウニカ」トレンド委員長は「世界中で変化を求める声が大きくなっている今、自由や快適さ、軽さ、生きる喜びを表現することが重要と考えた」と話す。それぞれのテーマは、歴史上の人物が夏にどこへ旅行に出かけるか、というユニークな発想のもとに設定された。
イビザのネフェルティティ
ネフェルティティは紀元前14世紀のエジプトの王妃。富と栄華をイメージさせるゴールドや砂漠を思わせる黄土色を、リネン、ガーゼ、軽量コットンといったベーシックな素材で表現した。流れるような柔らかさを持つ素材感が特徴。生地を自由に重ねることで、ヒッピー風からエレガンスまで幅広く演出する。
ソレントのマレーヴィチ
カジミール・マレーヴィチは19世紀後半~20世紀前半のロシア人画家。正方形や長方形を組み合わせた彼の絵のような幾何学模様がこのテーマの大きな特徴だ。特に想定されているのが、紳士用のシャツ。トラディショナルな柄を応用したり組み合わせた、遊び心のあるデザインが増えている。ぱきっとしたオレンジ、赤、青、グリーンなどのカラーが多い。
テヘランのモッリーノ
カルロ・モッリーノは20世紀前半~後半のイタリアの建築家・家具デザイナー。木材を使用した柔らかい曲線のテーブルなどで知られる。彼の西洋的なデザインに、モスクを中心とするオリエンタルな雰囲気を組み合わせたのがこのテーマだ。キーカラーはモスクからイメージしたシルバーと、モッリーノが使っていた木材の色や漆の色。プリントの上にアップリケやビジューを乗せたり、ジャカードの上に漆を塗ったりといった立体的な素材が目立つ。
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