オンワード樫山は「トッカ(TOCCA)」で、iPad用アプリを使ったカスタムオーダーを行った。顧客はアプリ上で、アーカイブをベースにデザインされたワンピース3型を、柄や丈、ウェストの切り替えのリボンを自分の好みで選択。11月に注文した商品は60日後を目途に、店舗や自宅で受け取る仕組み。ドレスのデザインは3型を用意。プリント柄は6柄からの選択になるが、柄のサイズや場所を自由に変えられる。価格は6万4000円で、通常のワンピースの1.5倍ほどの価格に設定した。「トッカ」の表参道店と銀座店で11月に期間限定で実施した。高橋純「トッカ」商品部長は、「こうしたカスタムオーダーは特別なノウハウが必要な上、通常の工場も変える必要があるなど、思った以上に手間がかかる。だが、新しいビジネスモデルとして手応えを感じている。今後も続けていきたい」と意気込む。
同サービスは、バーチャルデザインシステムソフトなどを開発するデジタルファッションが開発した。このほど「トッカ」表参道店で注文したアイテムを受け取った女性の顧客は、「注文にかかった時間は30分ほど。これまではデザインが気に入ってもサイズが合わず、断念したこともあった。柄を選ぶのは初めてだったので新鮮だったが、楽しかった」という。森田修史デジタルファッション社長は、「これからのファッションはBtoCを飛び越え、BtoI(Business To Individual=企業から個人)になる。やってみて店頭の販売員からもっとやりたいという声をいただいたのた一番の大きな成果だった」と語る。顧客には、特別サービスとして、同じデザイン・同じ素材で縮小したミニチュアドレスをプレゼントした。
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