世界最大のウオッチメーカー、スウォッチグループの2016年度通期決算は、売上高が前期比11%減の75億5000万スイスフラン(約8600億円)、純利益が同47%減の5億9300万スイスフラン(約676億円)と大幅な減収減益だった。市況の悪化によりマーケットは当初から減収減益を見込んでいたが、その予想さえ下回った。売上高が1割減だったのに対して利益が半減したのは、同業他社が断行するリストラを回避したため。たとえばリシュモングループは、首脳陣の数さえ減らしたり、一度は小売店に卸した時計を引き取り分解・溶解して地金に戻したりしている。
スウォッチグループは、「昨年11月以降、中国を中心に売り上げは前年を超え始めた。今年は順調に成長できるだろう」との声明を発表。一方で市場関係者は、「利益率が低下しているにも関わらず、人件費以外の支出が増えているのは問題」と話すなど、厳しい見通しを示している。
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