松坂屋が保有する江戸時代の着物など貴重な品々を集めた展覧会が、パリのギメ美術館(フランス国立ギメ東洋美術館)で2月22日から5月22日まで開催される。「着物・オ・ボヌール・デ・ダム展」と題された展覧会は、J.フロント リテイリング史料館、独立行政法人国際交流基金、ギメ美術館の共催によるもの。小袖、能装束、振袖、陣羽織、能面、屏風など150点を展示する。松坂屋がこれだけの規模の収蔵品を海外で公開するのは初めて。
松坂屋の創業は1611年、織田信長に仕えていた伊藤蘭丸祐道が名古屋に開いた呉服小間物問屋の伊藤屋に端を発する。呉服屋から百貨店に業態転換した後の1931年、京都に染織参考室を設置し、古今東西の着物などの収集活動を本格化した。現在、J.フロント リテイリング資料館および名古屋市博物館には5000点を超える「松坂屋コレクション」が所蔵されている。中には豊臣秀吉の側室・淀君が着たと伝わる「慶長小袖」もある。
展覧会の終盤には、着物の影響を受けた現代モードのデザイナー、コシノジュンコ、高田賢三、川久保玲、ジョン・ガリアーノ、イヴ・サンローランらの作品も展示する。会場全体のアーティスティックアドバイザーをコシノジュンコが務める。
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