デジタルファッションハウスのアイビーレベル(IVYREVEL)は、グーグル(Google)と協業し、スマホを使ってカスタムウエアを提供する「データドレス(DATA DRESS)」をスタートする。H&Mがサポートし、アイビーレベルとグーグルがスマホアプリを開発。好みのファッションを登録したり、デザインを選んだりするのではなく、ユーザー各人の日々のアクティビティーとライフスタイルを追跡し、ユニークかつトレンドを加味したカスタムメードの服を作り出すという点が新しさになっている。
アプリをダウンロードして、スマホを持ち歩くと、翌週には、グーグルの技術を通して「どこに出掛けるのか」「何をするのが好きか」など、個人のライフスタイルを把握。オリジナルの服が1週間でデザインされるというもの。しかも、情報が蓄積されたりアップデートされることによって、服のデザインが進化していく様子をユーザーが観察できるというのもポイントだ。主張のある服、洗練されて大胆な社交的なスタイルは、すでにアイビーレベルが得意とするルックだといい、素材からシルエットまでカスタマイズされた装飾品も手に入れられるという。このアプリはクローズドベータとして公開され、ゾウテン共同設立者をはじめとした世界のスタイルインフルエンサーの間でテスト中で、今年後半にリリース予定だ。
アイビーレベルは「ファッションの創造性を技術的イノベーションと融合させる」というビジョンの下、テック系起業家のアレキサンダー・スボーシック(Aleksandar Subosic)と弟のデジャン・スボーシック(Dejan Subosic)、ブログ「Kenzas」で有名なファッショニスタのケンザ・ゾウテン(Kenza Zouiten)と、アクネス ステゥディオス出身のグスタフ・スプリングフェルド(Gustav Springfeldt)の友人4人組が2013年に設立した“世界初のデジタルファッションハウス”だ。
スボーシック共同設立者は「非常にわくわくする瞬間だ。私たちはデータ技術を使って、お客さまの個性をデザインのプロセスに取り入れることで、ファッション業界を変えようとしている。今日、世界で唯一のアイテムを得るためには、カスタムメードデザインのアイテムを購入するか、自分でデザインする必要がある。けれども、大半の人はデザインの経験がなく、これは普通は手が届くオプションではない。『データドレス』では、世界中の女性がそれぞれのライフスタイルを反映した、完全に自分だけのために作られた服を注文できるようになる」と説明する。
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