ジョナサン・サンダース(Jonathan Saunders)体制への移行を果たした新生「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」が2017-18年秋冬と、“すぐ買える”コレクションを発表した。ジョナサンによる新生「ダイアン」を簡潔に表現すれば、キャッチー、エキセントリック、そしてファン。創業者ダイアン・フォン・ファステンバーグ同様のプリントの匠は、マルチカラーのボーダー、ポルカドット(水玉)、ジグザグ、ボタニカル、そしてレオパードなどのモチーフを一着の洋服、1つのスタイルの中で自由奔放にミックス。さらにはプリントした水玉と同じ大きさのスパンコールや、付け替えが楽しめそうなバッグ&チャーム、スカーフなどを「これでもか!」と言わんばかりに組み込むことで、キャッチーなスタイルに導いた。中でも、これまでの「ダイアン」では主力になりきれなかったアクセサリーが大充実。半円形のホーボーショルダーや、円形のクロスボディ、横長のフラップ付きクラッチには、長いフリンジをあしらったストラップや存在感抜群のキーチャームをプラスし、ファッションを素直に、直感的に、スポンテニアスに楽しむ。その気軽なカンジが心地よい。
気軽に楽しむムードは、創業者がラップドレスを中核として表現し続けたエフォートレスなマインドからも存分に感じることができる。プレゼンテーションで見せたコレクションピースには、いわゆる「ダイアン」らしいラップドレスは存在しない(コマーシャルラインには登場予定という)。代わりにサテンをバイアスに裁ち、アシンメトリーなヘムラインで躍動感を表すキーネックやオフショルダー、着物のような前合わせのドレスをコレクションの根幹に据えた。生地をバイアスに裁つことで生まれたドレープ、その上から羽織ったドルマンスリーブのコート、そして、最後に加えたビッグボリュームのエコファーコートやダウンブルゾン。そのいずれもが「ダイアン」らしいエフォートレスなマインドを強調し、強い色と色、柄と柄の足し算を繰り返したコレクションをリアルに見せる。
価格は、従来の「ダイアン」から大きく逸脱しないものになるという。ウェブサイトで発売した、アシンメトリーなショルダーにスパンコールをふんだんにとりつけた“ザ・コレクションピース”のドレスも15万円強だった。コマーシャルラインは、いわゆる“コンテンポラリー”の価格帯で落ち着くだろう。頑張れば買える価格帯のドレスとアクセサリーでファッションの楽しさを提供し、多くの女性をファッションの世界にいざなう――。新生「ダイアン」には、ぜひ、今まで以上にそんな役割を自覚してほしい。