兵庫県皮革産業共同組合連合会(以下、兵皮連)は昨年から、兵庫県の支援により、海外進出を目指すタンナーとデザイナーを結び合わせ、「ひょうご天然皮革(以下、兵庫レザー)」の活性化を図るプロジェクト「ヒョウゴ ジャパニーズ レザー プロジェクト(HYOGO JAPANESE LEATHER PROJECT)」を昨年から実施している。その第2回目が2017-18年秋冬パリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中にスタート。「ア ボンタージ(*A VONTADE)」「コーネリアン タウラス バイ ダイスケ イワナガ(CORNELIAN TAURUS BY DAISUKE IWANAGA以下、コーネリアン タウラス)」「マスターピース(MASTER-PIECE)」「オアスロウ(ORSLOW)」という兵庫県にゆかりのある4ブランドが、それぞれパリの展示会に出展し、「兵庫レザー」を用いた新作を披露した。
展示会での反応について、「マスターピース」の藤井安マネージャーは、「海外の展示会で新しいものを発表すると毎回学ぶことがある。今回出展したプリントレザーのウォレットシリーズは、新規で有力なセレクトショップからのオーダーが入るなど可能性を感じることができた」とコメント。「コーネリアン タウラス」の岩永信介セールスマネージャーも「新しい素材と今までになかったシンプルなデザインへの落とし込みは、とても反応が良かった。特にアルミを挟み込んだレザーは、革の持つ表情とはまた異なる雰囲気を創出できているところが面白いと好評だった」と手応えを感じているようだ。また、今回初めてプロジェクトに加わった「オアスロウ」の仲津一郎デザイナーは、海外で展示会を行うのは8年目だが「今までレザーウエアは展開したことがなかったので、全体的に高評価を得た」と語った。
兵庫県は国産レザーのうち牛革で約70%、馬革で約80%のシェアを占める一大産地だ。プロジェクトに参加したブランドからは、「ブランド側が要望するものは全て作ることができるのではないかという多様性がある」(藤井マネージャー)や「あらゆる技術があるので、ほとんどの要望に対応できる」(仲津デザイナー)、「長い歴史の中で生み出された確かな技術で新しいことにチャレンジしている」というタンナーの技術力を評価する声も上がった。兵皮連は今後も同プロジェクトを通して、「兵庫レザー」の世界での認知向上を目指す。