ニューヨーク市は2020年、アパレルおよびテレビ・映画業界のための工場やスタジオを集めた巨大ハブキャンパスを建設する。「メード・イン・ニューヨーク キャンパス(MADE IN NEW YORK CAMPUS 以下、キャンパス)」と名付け、13億6000万ドル(約1536億円)を投資する。ブルックリン地区西部のサンセットパーク(Sunset Park)内にあるブッシュ ターミナル(Bush Terminal)に建てる。クリエイティブ業界の生産拠点を融合し、アフォーダブルでトップレベルの施設を提供する。
ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は火曜、2017年計画を発表した。2つの倉庫を改修し、新たに撮影スタジオを建設する。約1万8500平方メートル分のアパレル関連の生産スペース、約9200平方メートル分の映画製作スペースを作る。デブラシオ市長によると、1500人の雇用を生み出すという。
また、ニューヨークのファッション業界では、高い家賃が大きな問題になっている。キャンパスは、パターンや縫製、サンプル生産などを行うアパレル企業に対し、約185〜1850平方メートルの小規模なスペースをアフォーダブルな家賃でリースする。ロジスティックスの共有や教育サポートなど、シェアサービスも提供する。テナントは25〜35のアパレル企業を予定する。デブラシオ市長は、ニューヨーク市内のアパレル産業の活性化はマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)前市長がスタートしたものだが、米国産の商品やサービスを推進する「メード・イン・アメリカ」運動もあり、最近は勢いを増していると加えた。
アリシア・グレン(Alicia Glen)=ニューヨーク市ハウジング&エコノミック・デベロップメント部門助役はファッション業界人の平均年収は5万7000ドル(約644万円)、映画業界人は5万3000ドル(約598万円)と説明。キャンパスは高収入の仕事をより多くの人に提供できるとアピールした。サンセットパークの住民は、キャンパスの仕事にアクセスできる他、ファッション工科大学(FIT)は、キャンパス近辺のブルックリン アーミー ターミナルでメーカー向けに授業を2コース新設する。「われわれは『メード・イン・ニューヨーク』ブランドを推進しアパレルやメディア企業を支援してきた。これらの業界は何千人もの雇用を生み出し、家計を支えている。『キャンパス』はわれわれが誇るクリエイティブな市場と発展した生産技術を融合する。21世紀の巨大生産センターとして、これからもニューヨークが映画とファッションの都であり続けることをサポートする」と語った。
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