ユナイテッドアローズ(以下、UA)は15日、毎年恒例の販売員によるロールプレイング大会「束矢グランプリ」を京王プラザホテルで開催した。3700人の中から予選を通過した14人が本選に出場。全国店舗の店長や役員、審査員が集う中、持ち時間8分で接客を行った。内容や審査方法を大幅に変更した昨年に引き続き、「創造的商人」というテーマで“店頭でのリアルな接客”を重視した採点を行った。
グランプリを受賞したのは、ユナイテッドアローズ丸の内店の明石達司さん。販売員歴30年以上の大ベテランだ。ロープレ直前には「出場者の中でも最年長。サザンと桑田が大好きな54歳ですが、今日の接客はスキマスイッチの全力少年で頑張ります」と自己紹介し、会場の笑いを誘った。接客中も軽妙なトークで客を笑わせ、さりげなくニーズや悩みを引き出した。テイストの異なる2つのジャケットを提案し、 UAのオリジナル商品の魅力や、肩のラインなどジャケットを着た時に確認するべきポイントなどを丁寧に伝える接客で審査員に印象づけた。受賞後のインタビューで明石さんは「ロープレ大会のための接客になるのが嫌で、あえて練習は3回くらいしかしなかった。普段店頭で行っている通りの接客を心掛けた。販売員歴は30年だが、お客さまに怒られたことの方が記憶に残っている。皆さまに育てていただいた結果だと思う。定年まであと少しだが燃え尽きるまではプロの販売員でありたいし、同じ思いを持つスタッフを一人でも多く増やしていきたい」とコメント。1歳年下の竹田光広UA社長も「ぜひ僕もジャケットを接客してほしい」と絶賛した。
準グランプリを受賞したのはアウトレット業態で初の受賞となったユナイテッドアローズ アウトレット 福岡店の田中恵さん。アウトレットならではのブランドを横断したコーディネート提案や、メイクのアドバイスなどが評価された。審査員特別賞は、ザ ステーション ストア ユナイテッドアローズ エチカフィット 東京店の原田薫さんが受賞した。
竹田社長は「出場者には“ナチュラルで”と伝えた通り、リアルな接客の場面を見たかった。受賞者はいずれも日常での接客シーンがイメージできるロープレだった。一方で、スマホやインスタグラムを見ての来店など、お客さまの情報の入手の仕方が変わっており、店頭がそれに追いついていない部分がある。EC専用商材や専用サイズの把握など、ECの情報も把握したうえで接客していくことが今後の課題だ」と話した。
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