石川県に拠点を置くテキスタイルメーカー、カジナイロンが手がけるファクトリーブランド「ティモーネ(TIMONE)」が好調だ。シーズンを重ねるごとに販路を拡大しており、2017年春夏シーズンの売り上げ(卸ベース)は、前シーズンの1.5倍になった。地方のセレクトショップを中心に支持を集め、高島屋や和光など百貨店にも広がっている。
同社は極薄のナイロン生地の開発に強く、「モンベル(MONT-BELL)」「パタゴニア(PATAGONIA)」など国内外の有力なアウトドアやスポーツブランドに生地を供給するなど、世界有数の合繊テキスタイル産地として知られる北陸で、トップ企業の一つ。
「ティモーネ」は40〜50代の男性をターゲットに、自社のナイロン生地をイタリアン・クラシコスタイルのメンズブランドに仕立てる形でスタート。2016−17年秋冬からはミラノのモードブランドでデザイナーをしていた内柴有美子を起用している。2017−18年秋冬は、上着とボトムスを小さく折りたためるパッカブルのラインや、極薄のナイロン生地とニットをボンディングしたストレッチ素材シリーズ、極薄のダウン素材「シンダウン」を使ったジャケットなど、トラベルをテーマに持ち運びやすさを打ち出した。内柴デザイナーは、「日本の合繊素材は間違いなく世界でもトップレベル。ウエアもいろいろな人種に着てもらえるようなグローバルスタンダードを目指している」。