銀座テーラー(東京、鰐渕美恵子・社長)の職人がマンツーマンで服飾のプロを養成する「日本テーラー技術学院」は、2017年度募集についての説明会と体験入学会を3月4日、18日の2回開く。体験入学会は「採寸」コースと「縫製」コースのいずれか。現役の職人が採寸のポイントや、縫製のテクニックの直接指導を行う。
日本テーラー技術学院は、11年にわたり多くの卒業生をファッション業界に輩出してきた。学院生のバックグラウンドは、パタンナーやブランドショップのマネージャー、靴職人など、紳士服分野以外の人が多くを占める。カリキュラムは「通年コース」と、「短期コース」の2種類。「通年コース」は1年で1着のスーツを丸縫い(1人で全行程を仕上げる)する。同コースのカリキュラムを採寸、型紙、ジャケット縫製、パンツ縫製の4つに細分化し、さらに深く掘り下げるのが「短期コース」だ。密度の高い課程で強みを伸ばし、苦手な部分を克服できる。
文化学園大学で教べんを執る渡邊裕子・デザイン学研究室助教は、洋服の源流であるテーラリングを学び、生産現場への知見を深めるために2014年度「日本テーラー技術学院」通年コースに入学した。授業は「毎週、机を並べる受講生と切磋琢磨し、アトリエには緊張感が走っていた。そこでは単に技術の習得だけでなく、指導の合間の職人との会話で、限られた納期の中で最高の仕事を目指すというこだわりや価値観に触れ、モノ作りに対する姿勢を学んだ」という。また、「服飾の分野の違いによる洋服の扱いや、常識の違いに触れたことで、洋服への多角的な見識が身に付いた。卒業後は洋服作りの現場を知り、学生へ授業を行う際、説得力をもって指導が出来るようになった」と話す。
■学院説明会&体験入学会概要(「採寸」「縫製」の2コース、すべて定員制)
開催日:3月4日(土)、3月18日(土)
「学院説明会」
時間:13:00〜13:40
定員:20人
会費:無料
「採寸体験入学」
※3月18日の「採寸体験入学」は定員に達しました。
ベテラン裁断士の指導で、姿勢や肩の傾斜などを考慮した採寸を行う。その後ゲージ服を用いて、細かい体型補正の体験ができる。最後は自身の採寸データを持ち帰ることができる。
時間:13:40〜15:00
定員:4人/回
会費:3000円
※各体験入学は事前申し込み制。定員に達したら見学(無料)で参加できる。
※会費は説明会当日の支払い。
※3月18日の「採寸体験入学」は定員に達しました。
「縫製体験入学」
受講者が持参したパンツ(ウール・スラックス)の丈詰めや丈出しが体験できる。針の運び方や指貫きの使い方、股下調整やアイロンワークなど、老舗テーラーの技術が学べる。
※裁ち鋏、小鋏、指貫きをお持ちの方は、持参をお願いします。
時間:13:40〜15:00
定員:5人/回
会費:3000円
■2017年度「日本テーラー技術学院」各コース詳細
通年コース
「技術者養成課程」期間:1年(週1回×48回)、開始月:4月
短期コース
「採寸コース」期間:1カ月(週1回×4回)、開始月:4、8、12月
「型紙コース」期間:3カ月(週1回×12回)、開始月:5、9、1月
「ジャケット縫製コース」期間:8カ月(週1回×32回)、開始月:8月
「パンツ縫製コース」期間:4カ月(週1回×16回)、開始月:4月
■問い合わせ先
日本テーラー技術学院
住所:東京都中央区銀座5-5-16 銀座テーラービルディング9階
TEL:03-3574-6891
MAIL:gakuin@gintei.com