あっと言う間にニューヨーク・ファッション・ウイーク最終日の8日間です。この連載を日記的コラムとして、毎日綴りたいと思っていたのですが...ショーやバックステージ(以下、BS)取材、展示会、インタビュー、入稿作業などをこなしていたら、あっと言う間にこの日を迎えてしまいました。
コレクション取材では、毎日約10件のスケジュールを約1時間刻みで回っていますが、今回は車は利用せず、サブウェイ(地下鉄)とバス、徒歩で行動していました。普段、運動不足なゆえ、足の裏から太ももまで筋肉痛です(笑)。特に3~5日目は、道に雪が残っていて、凍っている地面と水たまりを避けながらヒールで歩くのは、至難の業でした。実際、7回くらい転びましたが、怪我はなく無事です。しかし、普段使わない神経を使っているようで、夜は本当にグッスリ眠ってしまいます。
余談はさておき、今シーズンは「WWDビューティ」のヘアとメイクの取材をするため「アディアム(ADEAM)」「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のBSに潜入してきました。これまでファッション担当として、ウエアやアクセサリーにフォーカスしてコレクションを見てきたのですが、BSを取材し、ヘアとメイクはデザイナーが発信するテーマやメッセージのムードを作る一番の演出だと再確認しました。その詳細は「WWDビューティ」3月2日号でのレポートに譲りたいと思います。
ここでは約2~5時間と長丁場の取材でも、私の憩いのひと時になっていたモデル取材の裏話を紹介します。この時期、NYコレのため、世界中からトップモデルたちが集合しています。モデル取材は、ヘアとメイクが一通り終り、モデルたちが暇潰しにスマホをいじったり、ケータリングを頬張っているタイミングが狙い目です。今回はランウエイデビューから2年未満の若手モデルを中心に、今まで出たショーやキャンペーン、これから出てみたいブランドなどのキャリアにまつわる話から、好きなファッションやハマっているものまで、ざっくばらんに聞いてみました。
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「プロエンザ スクーラー」ショー前の新人モデルのフェルナンダ・オリベイラ/去年入れたばかりナイフのタトゥー
「プロエンザ スクーラー」で出会ったフェルナンダ・オリベイラ(Fernanda Oliveira)は、ブラジル出身の19歳で、今季デビューの新人モデルです。サングラスをかけていた時は、同じくカーリーヘアのミカ・アルガナラズ(Mica Arganaraz)に瓜二つだったのですが、あの顔の小さいミカよりもさらに小顔で、エキゾチックでトムボーイな雰囲気があります。初のランウエイにドキドキワクワクを隠せず、終始笑顔。しかし既に、初仕事として先日公開されたばかりの「サンローラン(SAINT LAURENT)」2017-18年秋冬コレクションの広告に登場しています。NYでは「プロエンザ スクーラー」、パリでは「サンローラン」のエクスクルーシブ契約なので、「次のシーズンからはたくさんのランウエイを歩きたい」とのこと。胸元のナイフのタトゥーもいい味でてます。
さらさらのストレートヘアのジェシー・ブルメンダール/ニューヨークからパリまでのコレクション日程がプリントされたフーディー
同じく「プロエンザ スクーラー」で和気あいあいとしていたのが、オランダ出身のクールビューティーなジェシー・ブルメンダール(Jessie Bloemendaal、20)です。2シーズン目ですが、既に「シャネル(CHANEL)」と「ディオール(DIOR)」のオートクチュールを歩いていて、メゾンから引っ張りだこ。私服チェックをすると、インスタグラムのフォロワーが送ってくれたというファッション・ウイークの日程が書かれた便利なフーディーを着ていました。
左からイージーとソヒョン・ジュン。2人とも今季がランウエイデビュー/混み合う「アレキサンダー ワン」のバックステージ
「アレキサンダー ワン」のBSは、ダントツに人口密度が高く、熱気がありました。衝撃だったのは、このショーのために数人のモデルの髪を大胆にカットしていたことです。前日に仕込みを行っていた子についてはサイドの刈り上げまでしています。韓国人モデル2人組のイージー(EZ、20)とソヒョン・ジュン(21)もその対象でした。ヘアカットについて「すぐ慣れちゃうから全然平気。髪はすぐ伸びてくるからね」とクールな対応。2人はNYで一緒に暮らしていて、姉妹のように仲良し。今季はソヒョンがミラノコレとパリコレでも歩くようですが、EZはお留守番。最終日の「マーク ジェイコブス」も歩いていました。
メイク中のリリー・ノーヴァ/私服は全身オーストラリアブランド。ジャケットは「フィフス レーベル(THE FIFTH LABEL)」、スカートは「ネオンハート(NEON HEART)」、お気に入りの缶バッジは少女の絵画
「マーク ジェイコブス」でキャッチしたオーストラリア出身のリリー・ノーヴァ(Lily Nova、19)は昨年「グッチ(GUCCI)」のショーでデビューした新星。ブロンドのカーリーヘアにイノセントな真っ白な肌、まるで天使のようです。私服ではデニムジャケットに缶バッジをたくさん付けてカスタマイズ。お気に入りは、このリリー本人にそっくりな少女が描かれた絵画バッジで、お店で「似てるからあげるよ」ともらったそう。ロゴTの下にピンクのプリーツスカートを合わせて、ロック×ガーリーなスタイルがカワイイですね。
「WWDJAPAN.com」ではコレクション詳報は多く掲載していないのですが、「WWDジャパン」定期購読者向けの日刊版PDF「デジタルデイリー」 にて毎日のショーをレポートしております。コレクションだけでなく、ファッションとビューティにまつわるニュースを掲載しているので、私もニューヨークから日本のニュースをチェックしていました。NYコレの後も、ロンドン、ミラノ、パリ、東京とコレクション・ウイークが続きます。まだご登録がお済みではない年間購読者の皆さま、是非この機会に「デジタルデイリー」のご登録の程よろしくお願いします!