アクタス(ACTUS)は2月20日、東京・お茶の水の山の上ホテルでイベント「テクタバー 東京(TECTA BAR TOKYO)」を開催した。「テクタ(TECTA)」とは同社が輸入販売するドイツ発バウハウスの家具ブランド。一夜だけのイベントでは、会場の山の上ホテルのロビーにマルセル・ブロイヤー(Marcel Breuer)やミース・ファン・デルローエ(Mies Van Der Rohe)、ヴァルター・グロピウス(Walter Gropius)らバウハウスの巨匠が残した名作家具を配置し、バーとして楽しめる空間を提案した。赤いカーペットが敷かれたノスタルジックな会場には、ブロイヤーがワシリー・カンディンスキーのためにデザインした“ワシリーチェア”に折り畳み機能が加わった“D4”やサイドテーブル“K40-1”、シェルフ“S44”や、バウハウスの最後の校長を務めたファン・デルローエによるカンティレバー(片持ち構造)チェア“B42”などとともに、ジャン・プルーヴェ(Jean Prouve)のオリジナルスケッチなどを展示。本国からはクリスチャン・ドレッサー=テクタ共同経営者が来日し、テクタ社の歴史やバウハウスに関して語った。テクタ社はバウハウス家具の名作家具の復刻だけでなく、バウハウスの哲学「アートとデザインの統合」を軸に時代に合った家具を制作し続けている。
山の上ホテルは川端康成や三島由紀夫らの昭和の文豪に愛された築約100年の歴史あるホテルだ。今回のイベント開催の会場になったきっかけは、アクタス創業時にさかのぼる。同社は1969年、創業して間もなくホテルのロビー用にノルウェー「バットネ(VATNE)」のソファセットを納品。そのソファは長年にわたり、メンテナンスを繰り返しながら今でも使い続けられている。アクタスはイベント開催にあたり格式ある場所を探しており、昨年9月に山の上ホテルにアプローチ。そして、今回のイベントが実現した。
アクタス新宿店では、3月20日までバウハウスの名作家具展「ディス イズ テクタ(THIS IS TECTA)」と題し、イベントで展示したコレクションや資料などを展示する。
【関連記事】
■バウハウスのDNAを受け継ぐ「テクタ」名作家具展を開催
■アクタスのジビエ缶がアジア唯一のパッケージデザイン賞を受賞