「H&M」のコレクションライン「H&Mストゥディオ(H&M STUDIO)」は3月1日21:00(パリ時間)、初の“SEE NOW,BUY NOW”(すぐ買える) コレクションを発表する。ショーを開催した直後に公式サイトで先行発売し、3月2日から店舗でも販売する(日本は渋谷・新宿店で販売)。また、同ラインのメンズのフルコレクションも今季ショーデビューする。2017年春夏コレクションは気品や情熱、バレエの強さがインスピレーション源。スポーツウエアとテーラードの技術を掛け合わせ、モダンなコレクションに仕上がっている。“SEE NOW,BUY NOW”に踏み切った理由や今季のテーマについてなどをデザイン責任者兼クリエティブ・ディレクターのパニラ・ウォルフォルト(Pernilla Wohlfahrt)に聞いた。
WWDジャパン(以下、WWD):“SEE NOW,BUY NOW”にこだわった理由は?
パニラ・ウォルフォルトH&Mデザイン責任者兼クリエイティブ・ディレクター(以下、ウォルフォルト):私たちはここ数年、このファッション業界の新しい時代の動向を注意深く見てきた。この形式は非常にエキサイティングで、私たちにとっても自然なもの。リテールカレンダーとランウエイカレンダーの間を埋め、お客様と直接コミュニケーションし、ファッションをあらゆる人に身近なものにすることは非常に価値があることだと考えている。
WWD:「H&M」はサステイナブルなファッションをずっと掲げてきたが、サステイナビリティーと“SEE NOW,BUY NOW”という“スーパーファストファッション”のバランスをどう図るのか?
ウォルフォルト:“SEE NOW,BUY NOW”はショーの直後にすぐ買えるようにするシステムだけれども、デザインや生産プロセスが迅速になるわけではないわ。「H&M」は、ファッションと同様にサステイナビリティーに情熱を持っている。全ての衣服は、人間と環境両方にとって良い方法で生産され、消費されることが非常に重要。今回のコレクションも、オーガニックコットンなど、持続可能な素材を使っている。
WWD:スポーツの要素を今季入れているが、スポーツに注目した理由は?
ウォルフォルト:私たちデザインチームはスポーツウエアがファッションで最も強い影響の一つであり続けると考えている。今季のバレエのストーリーなど、さまざまなトレンドと組み合わせられるというのがその理由でもある。
WWD:中でもバレエに着目したのはなぜ?
ウォルフォルト:バレエの強さ、上品さ、情熱に強く引かれたの。ロンマンチックなフリルやピンタックなどフェミニンなディテールを、首や腰、襟のドローストリングのようなスポーティーなタッチでモダンに仕上げた。さらに、今季は愛(LOVE)のメッセージも送りたいと思う。誰もが生活の中でポジティブな気持ちや思考を必要とする中、幾度も「LOVE」のメッセージが連なるテープのような生地を使用して表現した。もちろん、ファッションへの愛もね。
WWD:メンズをショーデビューさせた理由は?
ウォルフォルト:「H&Mスタジオ」ではメンズを組み込むのは今季で3回目。お客さまにより近づき、より広いオーディエンスに広めるためショーで披露することにした。
WWD:ファストファッションブランドとして常にトレンドの最前線にいる「H&M」だが、そのトレンドセッターが手掛けるモードなコレクションとして、「H&Mストゥディオ」はメゾンブランドとどう差別化しているのか?
ウォルフォルト:「H&M」のさまざまなラインは全てインハウスのチームによって社内で製作している。そのデザイナーたちは、世界中のお客さまが洋服を着て楽しめる機会を提供したいと思ってデザインをしているの。リサーチ、デザイン開発、製作、創造性など、さまざまな点で他の「H&M」のラインと大きく異なるわけではなくて。全てのラインはあらゆる顧客に対応するために発信している。「H&Mストゥディオ」は中でも特にファッション感度の高いカスタマーに向けて打ち出しているもの。私たちはお客さま重視の企業であることに誇りに思っており、グローバルなカスタマーを念頭に置いてデザインしている。
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