三越伊勢丹トランジットは、100%子会社のフラテリ パラディソ ジャパンを設立し、シドニーのイタリアンダイニング「フラテリ パラディソ(FRATELLI PARADISO)」を4月末に表参道ヒルズにオープンする。同店が海外進出第一号店になる。
「フラテリ パラディソ」は、2001年にオーストラリア・シドニーのポッツポイントでエンロコ・パラディソ(Enrico Paradiso)とジョバンニ・パラディソ(Paradiso)の兄弟とマルコ・アンブロシーノ(Marco Ambrosino)の3人がオープンしたイタリアンダイニングだ。シドニーでナチュラルワインを広めた店としても知られており、朝にはパンを焼き、昼には手打ちパスタが作られ、朝から夜まで常に満席で人気の地元に愛されている。
「フラテリ パラディソ」の日本上陸は、三越伊勢丹トランジットの第一弾のプロジェクト。同社は、三越伊勢丹ホールディングス(51%出資)とトランジットジェネラルオフィス(49%出資)による合弁会社で、昨年8月8日に設立された。
3月2日にプレス向けの試食会が代々木ヴィレッジ内のコードクルック(CODE KURKKU)で開かれ、シドニーからパラディソ兄弟とマルコが来日し、店の代表的な料理であるカラマリやスカンピのパスタ、1年間熟成させたこだわりのプロシュート、ナチュラルワインなどでプレスをもてなした。
中村貞裕トランジットジェネラルオフィス社長は、「オーストラリアは食のみならず、オーガニック大国であり、コスメやインナービューティー含めたライフスタイルへの意識が高い人が多い。約10年前、シドニーに行った際、地元の人たちがこぞって『フラテリ パラディソ』が美味しいと言って連れて行ってくれた。それが店を知るきっかけだった。今、日本でもナチュラルワインのみならず、オーガニックやライフスタイルへの意識の高まりを感じ、今このタイミングで日本にオープンしたいと思った。出店の決め手となるのは、自分で集めた情報の「点」がつながって集合体となったとき。それが時代の流れとマッチした時が出店のタイミング」と話す。
一方、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋・社長は、「“美・健康・食”が、これからますます求められる時代において、とくに食は重要なカテゴリーであり、われわれにとっては新たなチャレンジ。以前からトランジットの中村さんと組んで一緒にやりたいと思っていた。伊勢丹OBでもある中村さんと実際に仕事をしてみて、いろいろ学ぶことが多かった。今後も一緒にさまざまなプロジェクトに取り組んでいきたい」と語った。