三越伊勢丹ホールディングスの大西洋・社長(61)が3月末で退任する方向で調整していると6日付の日本経済新聞が報じた。同社の広報は「現時点で発表できることはない」としているが、退任が事実であれば、縮小に歯止めがかからない百貨店ビジネスの舵取りの難しさを象徴する出来事になりそうだ。
大西社長は、三越と伊勢丹の経営統合で2008年誕生した三越伊勢丹HDのトップに12年4月に就任。旗艦店である伊勢丹新宿本店の大規模改装や仕入れ構造改革、「イセタンミラー」「イセタンサローネ」「エムアイプラザ」「イセタン羽田ストア」といった中小型店の拡大、三越銀座店への空港型市中免税店の導入などを手掛けてきた。また夏と冬のセールの後ろ倒し、営業時間の短縮などにも取り組んだ。だが、同業他社に比べて不採算店の縮小などのリストラが遅れていたこともあって、昨今は業績の悪化が目立つようになっていた。17年3月期の営業利益は前期比28%減の240億円の見通し。今月20日には三越千葉店と三越多摩センター店の閉店が決まっているほか、三越松山店など4店の売り場縮小や業態転換を検討している。
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