主に服飾雑貨を扱うファッション業界の皆さまへ提案があります。今年の秋冬はエコファーのコーナーを作ってはどうでしょうか?特に百貨店の服飾雑貨売り場担当の皆さんに提案します。なぜなら、ある程度の集積が絵になるアイテムだから。売り場が華やぎ、ファッショントレンド提案と、新しい価値提案の両方につながると思います。
実は今年の冬、1月のパリ出張前に「パリは極寒」と聞いて、暖かい雑貨を慌てて探しに。色がきれいなエコファーのマフラーかアウターがほしくて探しました。今愛用している、日本のブランド「08サーカス(08SIRCUS)」の紺色のエコファーコートが着心地もふわふわ感も素晴らしく(和歌山発のこだわりのエコファーです)、次はカラフルなエコファーがほしいと思い、探した次第です。でも結局見つけられませんでした。
百貨店の雑貨売り場にはリアルファーのコーナーは必ずあるものの、エコファーは存在自体がほぼゼロ。私が買いに行ったのが、セールも中盤の時期だったため完売していたのかもしれないけれど、あっても売り場の片隅に申し訳程度に置かれている程度。選べる分量感での提案は見当たりませんでした。セレクトショップも、オンシーズンには扱っていたのでしょうが1月には見つけることができませんでした。
今、エコファーのニーズが、供給量以上にあると思うのは私だけでしょうか?“リアルファーが高価だから手が出ない”とか、“エコファーしか着ないポリシーゆえ”、ではなく、単純にファッションとしてモコモコでカラフルなエコファーがほしい、というニーズはきっとあると思いますが、売る側はまだまだ、リアル=高級、エコ=フェイク、という認識が強いのではないでしょうか?
などと思っていたら!「ミュウミュウ(MIU MIU)」のショーに、エコファーがそれこそ山のように登場しました。シャギーモヘアなど毛足の長い素材と組み合わせて、モコモコ&ふわふわ感はマックス(笑)。シルクのランジェリードレスやビジューと合わせてスーパーフェミニンにまとめたり、Tシャツと合わせてカジュアルに着こなしたりといった提案です。
洋服に加えて帽子や靴にも、とにかくたくさん。色がとてもきれいです。もちろん、ショールックのように全身にカラフルなエコファーをまとうのはエキセントリックですが、コートだけとか、靴のパーツに、など部分的に取り入れるのは楽しいです。
もしかしたらリアルファーも混ざっているかもしれませんが、違いはほとんどわかりません。むしろ、“ポイントはそこじゃない”です。最近は、ラグジュアリーブランドも多くが、“リアル”や“エコ”の両方をひとつのコレクションの中で提案しています。トレンドでも度々あがってはいるものの、売り場での露出度はまだまだ少ないから、新しい冬の需要を喚起できそうです。日本はエコファーの名産地でもありますしね!
ちなみに、「ミュウミュウ」はインビテーションも、会場の装飾も淡い紫のエコファー一色でした。