官製ファンドのクールジャパン機構(クールジャパンファンド)は9日、「45R(フォーティファイブ・アール)」を展開するフォーティーファイブアールピーエムスタジオ(以下、45R)の海外事業へ出資する。クールジャパンファンドとしては初のファッション案件になる。45Rとの間に、海外事業を統括する新会社45R-J(フォーティファイブ・アール・ジェイ)を資本金5億円で設立。新会社49%を出資する他、海外出店支援などで最大8億2000万円を出資する。太田伸之クールジャパン機構社長は「クールジャパン機構を設立して3年半。ようやくファッション案件をスタートできる。もの作りにとことんこだわった大人のナチュラル服は海外にはないジャンルで非常に競争力のある分野。裏側では地方の腕利きの職人たちとに支えられており、地方支援になる」と意気込む。
45Rは20年前にNYに初の路面店を出店以降、海外進出を開始以来、現在はNYやパリに16店舗(うちFC10店舗)を出店している。高橋慎志45R社長は「初出店の時から日本から宮大工を連れていき、本藍で染め抜いたのれんを飾って本気の投資を行っていた。今は国内外を問わず、ECやデジタルの時代だが、我々が重視しているのは“店”。支援を受けて海外展開を加速したい」と語る。太田クールジャパン機構社長も、「投資の決め手になったのは、自ら小売店をやっていたこと。店舗を見れば『45R』らしさが匂い立つ。こんなブランドは他にはない」と指摘する。
45Rは支援を受け、2020年までに海外に7店舗を出店。海外売上高も現在の20億円から、50億円に引き上げる考え。クールジャパン機構は出資だけでなく、財務や物流、法務などでもバックアップしていく。45Rは現在、日本に49店舗、海外に16店舗を出店し、2015年度の売上高は73億円だった。
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