ファッション

通販大手オットーが「ファビア」初の路面店をオープン

 通販大手のオットージャパンが4月21日、30代女性向けのEC専売ブランド「ファビア(FABIA)」初となる路面店を東京・青山(東京都渋谷区神宮前4-9-2)にオープンする。1層約80平方メートルの店舗に、1シーズン700SKUあるEC商材から限られたアイテムをそろえる。大久保武オットージャパン執行役員兼ファビア事業部門長は旗艦店について、「情報発信をする場。ECではできなかった世界観を表現したい」と意気込む。縦長の店舗ではエントランスこそショップらしいラックが並ぶが、最奥にはゆったりとしたフィッティングルームやソファー、テラスなどを設置し、ショップらしくないを空間を作り出す。「自宅で試着するような空間を演出すべく、ECではできなかった『入って着てみたい』と思える空間作りをする」という。

 常設店出店の理由について大久保執行役員は、「ブランド設立4年目で、2ケタ成長を続けている。特に秋冬シーズンは前年同期比30%増と好調だ。2015年から続けて来たポップアップ店舗にEC顧客が多く来てくれたこともあり、今後の成長のためにも顧客とのコミュニケーションの場として洋服に触れられる空間が必要だと感じた」という。並行してポップアップ店舗の出店は続ける。

 今後の展望については、「今年中に3店舗の出店を考えている。青山という立地はブランドの世界観を表現するためにも最適だった。売り上げだけを狙えば郊外SCへの出店もあるが、今はそのフェーズではない」と話す。「もともとウェブプレーヤーだからこそ、リテールにある障壁がない。店頭接客とウェブ接客はいつか融合されるはず。直営店ではEC軸で物足りなかった部分を補うだけでなく、ECならではのサービス導入も検討したい」。

 もちろん、ECのサービス強化に注力する。16年7月の公式LINEアカウント開設以降、スマートフォンユーザーの割合は急速に伸びているといい、かつて半分以下だったスマホユーザーが16年10月時点で早くもパソコンユーザーの3倍になったという。現在の月間ユニークユーザーは約100万人だ。

「EC事業もスマホシフトによって着実にユーザーを伸ばしている。しかし、スマホはすき間時間に見ることが多く、パソコンと比べて購入率が低いという欠点もある。そこで、『フリップデスク』を活用したレコメンドサービスや昨年導入したサイズのレコメンド機能『ユニサイズ』によって購入率を上げる努力をしている。全体の購入率を上げることでユーザー増加との相乗効果を狙いたい」と長島正城・ファビアイー・コマース部部長は語る。今年に入って買い手側が自由に作ったタグを商品につけてカテゴライズできる機能「ハッシュタギング・ショッピング」もスタートしており、引き続き顧客目線のECサイトを目指してサービスを拡充する方針だ。

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