PROFILE:1981年8月23日生まれ静岡県出身。2006年にEXILEへ加入。09年に初主演映画「ちゃんと伝える」で第19回日本映画批評家大賞新人賞を受賞するなど、映画やドラマなど活躍の場を広げている。16年9月からはEXILE THE SECONDも兼任し、17年3月1日にアルバム「BORN TO BE WILD」をリリースした。
パフォーマーで役者としても活躍するEXILEのAKIRAが2月、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN) 」のアンバサダーに就任した。アジア人初の大役となる。ニューヨークの2017年春夏ウィメンズ・コレクションを訪れたAKIRAは、創業者のラルフ・ローレンと対面。ラルフから「まるで和製ジョニー・デップ(Johnny Depp)だね」との賛辞を受けた。今回の起用は、以前から雑誌や舞台挨拶をはじめAKIRAがプライベートでも同ブランドの愛用者だったことが背景にある。AKIRAはEXILE TRIBEに「ラルフ ローレン」が醸し出すアメカジ感を積極的に導入してきた存在だ。アンバサダー就任の経緯と自身のファッションについて、EXILE TRIBEで発信するファッションについて聞いた。
WWDジャパン(以下、WWD):アンバサダー就任の経緯は?
EXILE AKIRA(以下、AKIRA):きっかけは、14年9月に発売した写真集「AKIRA LA」(LDH刊)です。生き様を形に残そうと自分のダンスの原点であるロサンゼルスを舞台に自費で出版した写真集で、昔から好きな「RRL」のビンテージや当時の最新コレクションを自分たちで用意して使いました。それがジャパン社の目に止まるなどめぐりに巡った末、ご本人が見てくれました。「RRL」とは翌年にも雑誌企画が実現し、昨年2月のニューヨーク・コレクションではラルフ・ローレンさんと初対面をさせていただくなど、少しずつ関係を深めさせていただっきました」
WWD:ラルフ・ローレン氏の印象は?
AKIRA:初対面の時、敬愛の想いを便箋3枚ほどにしたためてお渡ししたら、直筆で返事のお手紙をくださり感動しました。向き合うと声も出ないほどオーラのあるお方なのに、話し出すととても気さくで親近感もある。ネクタイ1本から一時代を築くアメリカンドリームの体現者として尊敬していますし、同じ役者でもジョニー・デップさんと比べたら世界ではまだまだの僕をアンバサダーに抜擢くださった心意気にも粋を感じます。この2月には自動車からインスピレーションを得るご自身の世界観や美学を詳しく教えていただき、ブランドへの理解が深まると同時に気が引き締まりました。
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Photos by MACIEJ KUCIA(AVGVST)、Styling by ATSUSHI HASHIMOTO(KiKi)、Hair & Make-up:MAKOTO(juice) タキシードジャケット26万円、中に着たシャツ6万円、パンツ6万5000円、ボウタイ7000円、カフス7万2000円/以上ラルフ ローレン パープル レーベル(ラルフ ローレン0120-3274-20)
WWD:ダンスシーンで活躍する自分がアンバサダーを務める意義は?
AKIRA:「ラルフ ローレン」をこよなく愛する層は幅広く紳士的でクラシックな風格のビッグ・ブランドですが、僕が通ってきた90年代アメリカのヒップホップ・シーンでは「ポロ スポーツ(POLO SPORTS)」が流行っていました。特に“POLO 1992”をダボダボで着る姿がカッコよかったから、ストリートの匂いもラルフの魅力のひとつだと思う。今日の撮影で着た「パープル レーベル(PURPLE LABEL)」のドレッシーなタキシードも、僕であればパーティーで着る時は少し土臭く着崩れた感じを出したい。ラグジュアリーの中でニヒルに振る舞うことや、ビンテージの「RRL」とミックスして着崩す魅力をブランドの歴史に添えられたらと思います。
WWD:愛用している「ラルフ ローレン」のアイテムは?
最近は「RRL」から出たデニムのボンバージャケットをヘビロテしてます。デニムの熊ジャンって珍しくて調子がいい。「パープル レーベル」のスーツも2着持っていて、王道の3ピースと、夏でも着れる薄いタイプ。映画の舞台挨拶やパーティーのシーンで重宝しているし、スラックスの上に「RRL」のジャケットを羽織るミックスも楽しめますね。
WWD:「ラルフ ローレン」との出合いは?
AKIRA:最初は「RRL」のデニムです。中学の頃から身長が大きかった僕に合うサイズでいい状態のデニムと、地元で唯一「RRL」などを扱っていたセレクトショップで出合うことができた。色落ちしたものをバギーパンツっぽく大きく履いていましたね。「RRL」はその後も、古着屋で良いものを見つけては着ていました。
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WWD:ファッションへの目覚めは?
AKIRA:スニーカーですね。サッカー少年でしたけどバスケもやっていたので、バッシュから入って90年代に流行った“エアマックス(AIR MAX)”や“エアジョーダン(AIR JORDAN)”に興味を持った。今若者で再ブレイクしている「ゴローズ(GORO’S)」やネイティブ系のアイテムを好きになったのもその頃で。高校を卒業してダンスの道に進むとストリートファッションが好きになって、同じ「ラルフ ローレン」を着るにしてもXXLのオーバーサイズをダボダボで合わせ始めるようになりました。サイズ感は時々で変わってきましたが、根底にあるのがアメリカンカジュアルであることは変わっていないですね。
WWD:お手本にしてきたアイコンはいる?
AKIRA:海外の音楽シーンからは影響を受けてきました。流行りのラップチームの格好や音楽の流れから次のトレンドを察知し、次はストリートスタイルを通ってきた。“POLO 1992”を着てたジギー(Zhigge)やスミフン・ウェッスン(Smif-N- Wessun)、リーダーズ・オブ・ザ・ニュースクール(Leaders Of The New School)とかミスフィッツ(MISFITS)とか。ジェイ・Z(JAY-Z)、トゥパック(2PAC)ももちろんですし、ウータンクラン(WU-TUNG CLAN)の中でも特にメソッド・マン(METHOD MAN)のスタイルを参考にしてきた。他にもビック・ダディ・ケイン(BIG DADDY KANE)やボビー・ブラウン(BOBBY BROWN)らニュージャックスイング世代の格好や髪型をそのまま真似たりだとか。ダンサー目線なので、ラッパーや歌手の後ろで踊っているダンサーのファッションもチェックしていました。
WWD:その中で自分のスタイルを見つけてきた。
AKIRA:プロ意識からですね。僕たちの場合は人様の前で踊るのが現場ですから、ファッションも完璧なスタイルを届けたい。高校を卒業してダンスイベントへ出始めた頃は、まだお金はなかったですけど、自分たちのダンスを観てくれるお客さんが一人でもいるなら練習着ではなくピカピカの靴で踊りたかった。流行りを真似たアイテムを安く買ったり作ったり、時には借金をして買ってまで(笑)こだわってきました。EXILEになってからも、テレビでの映り方や紙面での見え方は念入りに研究してきましたし。
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WWD:EXILE TRIBEで目指すファッションは?
AKIRA:EXILEも14人の頃までは暗黙のスタイルがあった気がします。全員が大きくて威圧感があって(笑)、ストリート色と少し土臭い感じが根底にある。スーツも戦闘服のようなイメージです。集団で全員ビシッとスーツを着て踊ると迫力がありますし、EXILEのプライドに恥じぬ振舞いをしようと背筋が伸びる。僕が憧れたEXILEオリジナルメンバーの先輩方は、自分たちの道を信じて野心に満ち溢れて格好も魅力的でした。そのEXILE魂を受け継ぎつつ、19人になって世代も広がった今は自由でファッションの幅も広がりましたね。
WWD:昨年9月からAKIRAさんが加入したEXILE THE SECONDのファッションの強みは?
AKIRA:EXILE THE SECONDの6人では、出し惜しみなく自分たち30代世代が感じてきた音楽性やルーツを出していこうと思っています。三代目J Soul Brothersやそれより若いGENERATIONSより大人世代のメンバーなので、みな自分のスタイルがいい意味で固まっていますね。(黒木)啓司くんなんかは流行りやビンテージミックスをいち早く取り入れていますし。全員身長が高いので、2月のシングル「SUPER FLY」のミュージックビデオで見せたような80年代風の派手なスーツスタイルも絵になるグループです。僕の好きなアメカジテイストは昔から意外とかぶらないですけど「その服何?」「あのコラボ買う?」みたいな服談義は日常茶飯事ですね。
WWD:役者としての活動やダンススクールEXPGで指導を行うなど、多様な顔を持つ。今後目指していくスタイルは?
AKIRA:さまざまな自分の顔を楽しんでもらえたらと思いますが、ありがたいことに「ラルフ ローレン」のアンバサダーを務めさせていただくので、まずは日々自分の芸を磨いて全うしたいです。例えばジョニー・デップさんのスタイルがあるように、アジアのAKIRAのスタイルも面白いと思ってもらうことでラルフ・ローレンさんの美学や思想を体現していきたい。世界中からファッション・アイコンが台頭する中で日本も負けていられないじゃないですか。そしてゆくゆく自分に厚みが備わった時には、自分自身がブランドになれるような存在を目指したい。何を着ても付けてもその服を自分の生き様で素敵に輝かせられる人が奥深くてカッコ良いと思う理想です。EXILE TRIBEの活動を続けて目指せたらと思っています。
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