TSIホールディングス傘下の東京スタイル(以下、東スタ)は、スタイリストの小山田早織がディレクションする新ブランド「トウキョウ スタイリスト ザ ワン エディション(TOKYO STYLIST THE ONE EDITION)」を発売する。3月28日のECサイトオープンを皮切りに、まずはオンラインのみで展開する。中期的な売り上げ目標は7~10億円。ポップアップストアや実店舗での展開も視野に入れる。
ベーシックアイテムを中心にしたレギュラーと、スポーツウエアを中心としたアスレジャーの2ライン構成。“ありのままに”をキーワードに、小山田クリエイティブ・ディレクターが「明日着たい」と思える服を提案していく。「“いつか着るかもしれない一張羅”ではなくて、日常着として、がしがし着られる服を作っていきたい。“働く29歳女性”という点では、私のライフスタイルも他の職業の女性とあまり変わらない。“働くアラサー世代のスタイリスト”はこういう格好がしたいんだ、というのを伝えていけたら」と話す。
スタイリストとしてのキャリア中で培った“物を見て選ぶ力”を武器に、「シンプルだけどありそうでなかった」服を提案していく。「1つの企画のために100件前後を3~4日で回って、服を集めて、借りて、返してを繰り返してきた。日本で一番物を見て触ってコーディネートを組んでいる自信がある」。東スタと組んだ理由については「縫製やシルエットが非常にきれいで、並んでいるとつい手に取ってしまう。だがコンサバなイメージが強くて紙面掲載に至らないことが多く、すごく残念に思っていた。自分がブランドを作るならモノ作りにはこだわりたいと思っていたので、いくつかお話をいただいていたが東スタに決めた」と語った。
東スタの久保田寛・社長は、「小山田さんのSNSやブログを見ていると、消費者から受けた相談に答えていたり、非常に近い距離でやり取りされている。一緒に成長していけて、消費者に直接話が伝わる人として起用した。スタイリストだからこそ分かる消費者の悩みを、このブランドに反映していってほしい」と話した。
価格はレギュラーラインのカットソーが4900~1万1000円、パンツが1万1000~1万6000円、ワンピースが1万3000~1万8000円、コートが1万8000~2万5000円。アスレジャーラインは、パンツが8900~1万3000円、ブルゾンが1万1000~1万4000円、スエットなどのニットが7900円~1万3000円など。百貨店を主販路とする東スタの他ブランドと比較すると、価格設定は低め。小山田クリエイティブ・ディレクターは、「東スタの平均的な価格設定だと、自分と同年齢の女性たちには購入しづらい。価格帯も含めてリアルに持っていきたかった」と話した。
小山田クリエイティブ・ディレクターは、雑誌やファッションショーなどを中心に活動するスタイリスト。インスタグラムのフォロワー数は5万7000人。2017年度の花王「エマール」のイメージキャラクターも務めている。
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