ファッション

宮崎・日向のサーフィンでの町おこし TOOTやビームスが協力

 地方創生が叫ばれるなか、サーフィンの名所として知られる宮崎県日向市とファッション企業との取り組みが相次いでいる。

 日向市に自社工場を置くメンズアンダーウェアメーカーのTOOT(トゥート、枡野恵也・社長)は、町おこしプロジェクト「リラックス・サーフタウン 日向」の公式キャラクター「ヒューくん」を題材にした新作パンツをふるさと納税の返礼品として5月から提供する。同社は2000年から日向市の自社工場で全商品を生産。70代のベテラン職人を筆頭に若手も含めて約30人の従業員が働く。日本製のモノ作りとデザイン性が評価され、売れ行きが好調な一方、需要に生産が追いつかない状況だ。

 枡野社長は「昨年から生産の増強を図ってきたが、人材確保が難しく、地元での認知度が低いことを痛感した。世界的なラグジュアリーブランドは産地が基本。当社も日向市でモノ作りをしていることに誇りを持っている。商品を世界中に提供できていることを改めて見直し、日向市に恩返ししたいと思った」と話す。ふるさと納税の返礼品に選定されることで、地元でのブランド認知度と従業員のモチベーションアップを狙う。

 返礼品は、前面に「ヒューくん」、背面に「ヒュー!日向」の英文字をあしらったデザイン。日向市のさわやかな海と波をイメージさせるオーシャンカラーとホワイトで全体をシンプルにまとめた。ブランドの特徴であるフロントカップや肌触りのいい生地を使い、高度な縫製技術ではき心地の良さを訴求する。サイズはS・M・Lの3サイズ。限定100枚で、寄付金1万円に対して1枚贈呈される。

 日向市は昨年12月、サーフィンを活用した町おこしプロジェクト「リラックス・サーフタウン日向」をスタートした。PRサイト「ヒュー!日向」でサーファー向けの情報などを発信するほか、都市部で移住相談会を開催。2019年までに移住者数200人、サーフィンなどの年間利用客数25万2000人を目指している。

 日向市で行われたパンツの贈呈式で、十屋幸平・市長は「自治体も情報発信していかないといけない時代。日向市の魅力を発信できる今回のコラボを好機に、地方創生のツールとして連携していきたい」と語った。

 同プロジェクトにはセレクト大手のビームスも着目する。三越伊勢丹と協業し、日本各地の魅力を再発見して国内外に発信するプロジェクト「スタンド フォーティ セブン」の第1弾「スタンド九州」で、キャラクターの「ヒューくん」を起用。新たな日向土産をプロデュースし、3月29日から期間限定で発売した。

 オーストラリアのイラストレーター、ジョナス・クレアッソン(Jonas Claesson)が描く「ヒューくん」はニホンカモシカがモチーフ。リサイクルデニムを使ったバッグやポーチ、ハンカチ、ワッペンなど、海の波や、サーフボードのフィンをイメージしたゆるいタッチのアイテムが揃う。

 4月4日まで伊勢丹新宿本店で、11日までビームス ジャパンで展開。その後は、日向市内のサーフショップと日向市観光協会でも販売する予定だ。

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