瀧定名古屋の2017年1月期決算は、売上高が前期比4%減の659億9300万円、本業のもうけを示す営業利益が同25%増の17億6700万円、経常利益が同13%増の22億2200万円、純利益は前期に多額の税金を計上したため約2.5倍の7億7200万円で、営業利益は8期連続、経常利益は7期連続の増益となった。売り上げの6割を占める服地部門は紳士、婦人ともに増益。特に婦人の服地部門は、糸や原料からさかのぼって企画に生かす川上戦略が功を奏した。瀧昌之・社長は「糸から購入することで仕入れコストがコントロールできるようになった」と話す。紳士に関しては量販店が苦戦した影響で減収になったものの、商品内容を工夫したことで増益に結び付けた。OEMを中心とする製品部門は減収減益だったが、セレクト系、ショッピングモール系、SPA系などの新規開拓が進み「底打ちして上向き始めている」。
これまで好調だった輸出部門は、最大市場のドイツが失速し、減収減益だった。「アムステルダムの駐在事務所で積極的な活動をし、フランス、北欧、トルコ、スペインなどヨーロッパ系チャネルを増やして次への準備ができた一年だった。今後はドイツを中心とした顧客とのパイプを改めて強くしていく」という。
「日本市場は業界全体として低調だった。当社や売り先であるアパレルメーカーも含め、テキスタイルの流通在庫が積み上がっている」と瀧社長。今後は顧客が求める“攻めの在庫”と入れ替えていく。