J.フロント リテイリングの2017年2月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が同7.2%減の445億円と7期ぶりの減益になった。大丸心斎橋店本館とパルコ渋谷店の建て替えに加えて、衣料品の販売不振やインバウンド(訪日外国人)の客単価低下が響き、売上高は同4.7%減の1兆1085億円に落ち込んだ。純利益は同2.4%増の269億円だった。
中核子会社の大丸松坂屋百貨店の売上高は同4.5%減の6469億円。店別売上高は、工事中の大丸心斎橋店が同18.8%減の739億円だったほか、衣料品が足を引っ張る形で大丸東京店以外は全て減収になった。16年2月期まではけん引役だった免税売上高は、下期に持ち直したものの、同13.1%減の294億円で終わった。パルコ事業は、仙台パルコ2などの新規開業もあったが、渋谷パルコの建て替えに伴う一時休業、千葉パルコの閉店が重なり、売上高が同2.7%減の2733億円だった。
同社は今期(18年2月期)から国際会計基準(IFAS)を導入するため、前期との比較ができなくなる。売上高にあたる売上収益は4690億円(前期をIFASに置き換えた数値との比較で3.5%増)、営業利益445億円(同6.6%増)を予想する。今月20日に開業する新商業施設「ギンザ シックス」は営業利益を20億円程度押し上げる効果があるという。