「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」がニューヨークを拠点に活動する、美術家ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)とコラボレーションしたバッグとアクセサリーを4月28日に発売する。同コラボレーションは、クーンズが2015年にニューヨークのガゴシアン・ギャラリー(Gagosian Gallery)で開催した個展“ゲイジングボール・ペインティングス(Gazing Ball Paintings)”が基になったプロジェクト。 “ゲイジング・ボール・ペインティング”は、西洋絵画の巨匠たちの作品をハンドペインティングで再現した作品群。レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecellio)、ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)、ジャン・オノレ・フラゴナール(Jean HonorE Fragonard)、ヴァン・ゴッホ(Van GogH)らの傑作を再現した作品が、「ルイ・ヴィトン」のアイコンバッグ“スピーディ(Speedy)”“キーポル(Keepall)”“ネヴァーフル(Neverfull)”などに描かれ、再現した作品の原作者の名があしらわれる。「ルイ・ヴィトン」のシグニチャーであるモノグラム・フラワーなどを周りに埋め込む。
また、クーンズは「ルイ・ヴィトン」のアイコンでもある、“モノグラム”に自身のイニシャルを加え、新たなモチーフを制作。 “モノグラム”のモチーフの形を変えるのは初めてだ。クーンズのサインは、バッグの外側にメタリックなディテールとしてあしらわれ、空気で膨らませたビニール製のラビットを象ったタグが付けられ、バッグの内側にはオリジナル作品の作者のバイオグラフィーとポートレートが描かれている。
商品は、「ルイ・ヴィトン」とジェフ・クーンズのコラボレーション第1弾で、プロジェクトは今後も続く予定だ。
近年「ルイ・ヴィトン」は、スティーブン・スプラウス(Stephen Sprouse)、村上隆、リチャード・プリンス(Richard Prince)、草間彌生、ジェームズ・タレル(James Turrell)といったアーティストたちと手を組んできた他、ショーの舞台美術やアート作品の制作、新作の開発なども制作。アーティストを支えるパトロンやキュレーターの活動も行っている。14年には、パリに建設されたフランク・ゲーリー(Frank Gehry)が設計した、11の展示室を有する「フォンダシオン ルイ・ヴィトン(Fondation Louis Vuitton)」をオープンした。
ジェフ・クーンズは1985年、水を張った水槽に3個のバスケットボールを浮かべたものを作品として発表し、新しい頭脳派彫刻作家として注目された。同作品は91年ニューヨーク近代美術館の永久所蔵作品となった。その後もキッチュなイメージのオブジェを発表し続け、90年ベネチア・ビエンナーレで、当時婚約者だったポルノ女優のチチョリーナ(Cicciolina)とのベッドシーンを描いたソフトポルノ作品を発表。91年11月にはニューヨークの個展で再びチチョリーナとの性行為をモチーフとした「ハードコア」絵画や彫刻の作品で話題を呼んだ。また、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)と猿のバブルスの彫刻などでも話題となった。他に代表作は「ハンド・オン・ブレスト」、「バルーン・ドッグ」などがある。