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ロコンドが上場後初の決算、初の黒字化から事業の安定成長目指す

 シューズとファッションのECサイト「ロコンド(LOCONDO)」を運営するロコンドが3月7日の上場後初となる決算会見を開いた。同社の2017年2月期決算は、商品取扱高が前年比23%増の80億2258万円、売上高が同30%増の28億9300万円だった。営業利益は1億9300万円で、前年の純損失2億800万円から初めて黒字に転じた。ただ、18年2月期の業績予想が市場関係者の予想を下回ったことで、11日の株価は前日比357円安の1939円だった。

 自社EC「ロコンド」とモール事業「ロコモール」を合わせたEC事業の商品取扱高が前年比41%増と大幅に伸びたことで、EC事業の黒字安定化を実現した。EC事業ついて田中裕輔・社長は、「『ロコンド』の取り扱いブランドは1796まで増えた。返品率が10ポイント近く減少した一方で、顧客単価はほぼ横ばい。好調だ」と自信を見せる。一方で、EC事業と並ぶ基幹サービスのプラットフォーム事業(ブランド向け公式EC支援事業)は大手クライアントの離脱によって若干収縮気味。「今年度以降改めてブランドを獲得していく。まずは第1四半期に14社まで伸ばす」という。

 会見では、同社が推進するEC基軸のオムニチャネル構想「RAOS計画」についての説明が大半を占めた。「ファッション企業のデジタル化は非常に遅れている。ECのデータベースを店舗にも活用し、EC視点で店舗を再設計をすることで在庫回転率を大幅改善できるはず」と田中社長は語る。「RAOS計画」の実現に向けて今年度はさまざまなサービスを断続的にローンチするといい、5月の「ロコポス(売り上げ・在庫データを一元化するPOSシステム)」「ロコペイ(会員データと決済情報を一元管理できる決済サービス)」を皮切りに、ショールーミング店舗「ロコンドGO」やメッセンジャー・メルマガの一元化サービスなどを次々に導入する計画だ。

 サービス導入と並行して、4月1日に運営を継承した「マンゴ」原宿店を「RAOS計画」の実験店舗として運営していく。18年2月期の業績予想は、売上高が前年比33%増の38億5400万円、営業利益が同57%増の3億500万円、商品取扱高が同25%増の101億円を見込む。「これほど実店舗をからめたオムニチャネルを推進するのは、当社にしかできないことだから。もちろん、実店舗との在庫連携によって『ロコンド』の商品が充実し、結果的にEC事業の利益拡大にもつながるという思いもある。中長期目標は商品取扱高、時価総額ともに1000億円を突破すること。目標に向かってどういった売り上げ構成比率が妥当かを見極めていきたい」。

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