LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSEY LOUIS VUITTON)の2017年度第1四半期(1〜3月)の決算は、売上高が前年同期比15%増の99億ユーロ(約1兆1682億円)。テロの影響で苦戦した16年度との比較ではあるものの、四半期ベースでは過去5年で最高となった。既存事業の売上高は同13%増で、全ての事業で2ケタ成長を達成。中でもアジア、ヨーロッパ、アメリカ市場の好調が目立った。
事業別で好調だったのは、ファッション&レザーグッズで、同15%増の34億ユーロ(約4012億円)だった。クリエイションが高く評価された「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や、売上高が10億ユーロ(約1180億円)を突破した「フェンディ(FENDI)」がけん引した。この他、「セリーヌ(CELINE)」「ケンゾー(KENZO)」「ロエベ(LOEWE)」「ベルルッティ(BERLUTI)」も伸長。一方、「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」は、製品ラインの変更やブランドの再編を進めた。
パフューム&コスメティックスも好調で、1~3月期の売上高は同12%増だった。「ゲラン(GUERLAIN)」のアンジェリーナ・ジョリーを広告塔に起用した新香水「モン ゲラン(MON GUERLAIN)」の発売に加え、コスメブランド「キャット ヴォン ディー(KAT VON D)」の成長が貢献した。セレクティブ・リテーリングの既存事業の売上高は同11%増で、化粧品セレクトショップの「セフォラ(SEPHORA)」がシェアを伸ばした他、トラベルリテーラーの「DFS」がアジアで存在感を強めた。ウオッチ&ジュエリーの既存事業の売上高は同11%増で、引き続き「ブルガリ(BVLGARI)」が堅調に推移した。「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」は、新作スマートウオッチ「タグ・ホイヤー コネクテッド モジュラー45」をローンチした。
同社のベルナール・アルノー会長兼最高経営責任者は、16年度通期の決算会見で17年の見通しが非常に慎重であることを明かし、「物事が上手くいっているときには、予期しないことが起きる。少しでも警戒しておくべきだ」と述べた。