パルグループホールディングスの2017年2月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が前期比5.8%増の61億円だった。19.4%減だった上期から持ち直した。売上高は同1.8%増の1164億円。ただ、下期に入っても依然アパレル業界を取り巻く環境は厳しく、期初予想からは売上高、利益ともに下回った。
当期は出店65、退店41の純増24で期末店舗数は923店になった。主力の衣料事業の売上高は同1.3%減で、上場以来初めて前年実績を割り込んだ。一方で「ラシット(RUSSET)」「スリーコインズ(3COINS)」などの雑貨事業の同11.2%増と好調で、落ち込み分をカバーした。衣料消費が苦戦する中、効率化を徹底させた。4週間単位の短サイクルMDによる型数と数量のコントロールで、プロパー販売の強化と在庫減少を図った。ブランドごとにバラつきがあった生産体制を改め、秋以降は共通の生産プラットホームによる低価格戦略商品の供給体制が整った効果で、粗利益率は下期だけで2.2ポイント上昇した。
EC事業は、売上高が同31.8%増の72億円と伸長している。自社運営サイトが軌道に乗り、実店舗とECの在庫を共有化が進んだ。ECの先行予約販売で売れ筋をつかみ、実店舗に投入するマーケティング戦略が奏功した。特に「カスタネ(KASTANE)」が好調で、ECとの相乗効果で既存店売上高も同17%増を達成した。子会社ナイスクラップのEC売上高も同79%増と伸びた。
11日に会見した井上英隆・会長は「今は内部体制を整えることが先決。『スリーコインズ』と『ラシット』はまだ伸びると思う。『ディスコート(DISCOAT)』『チャオパニックティピー(CIAOPANIC TYPY)』『コロニー2139(COLONY 2139)』については、1店舗あたりの効率を確立できれば、この3年で一気に出店する」と話した。
今期(18年2月期)は売上高1238億円(前期比6.4%増)、営業利益80億円(同30.1%増)を計画する。EC売上高100億円の大台を目指す他、前期のMD施策に磨きをかけ、さらなる粗利益率の改善を図る。