女優の松嶋菜々子と俳優の玉木宏が、ドラマ「女の勲章」に衣装提供をした学生作品の授賞式に登場し、グランプリと優秀作品を発表した。同作品は、山崎豊子原作の同名小説「女の勲章」をドラマ化。フジテレビ系列で4月15、16日の2夜連続で放送する。ファッション業界が舞台のドラマにちなみ、未来のデザイナーを応援する意味を込め、同作品で使用する衣装を公式ホームページで募集。デザイナー、監督、出演者らによる審査で選出された優秀作品20点が、クライマックスのファッションショーのシーンに登場する。グランプリには文化服装学院の東山恵さんと東真妃さんのチームが制作した作品が選出され、壇上に紹介されると感極まって涙を流した。審査員も務めた松嶋は2人の作品について、「こちらがもらい泣きしそう。これからのデザイナー人生に活かしてほしい。くるみボタンやウエストのシェイプが素敵。時代にも合っていて、主人公の大庭式子がデザインしそうな作品」と称賛し、コンテストに参加した学生らと集合写真を撮影した。
また、グランプリには賞金50万円、優秀賞には賞金10万円が贈呈された。授賞式後、グランプリに輝いた2人は「1947年に『クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)』が発表したニュールックに思いをはせた。今はファストファッションの時代なので、クチュールへのあこがれを作品に込めた」と話し、賞金の使いみちについては「卒業制作のために使いたい」と次回作への意欲も口にした。
同作品は、大阪・船場を舞台に主人公の大庭式子(松嶋菜々子)が戦後復興の時代に洋裁学校を開校し、ファッションデザイナーとして成功を収めるも、嫉妬や欲望、愛憎、金銭など周囲の人間関係に翻弄され続けた激動の人生がテーマ。関西のファッション業界で頭角を現し始めた式子と業界関係者の軋轢や、服飾学校の立ち上げから式子を支えるも、次第に経営権を掌握していく八代銀四郎(玉木宏)の姿などを描く。また、式子の支えとなるが自身も心に深い闇を抱える大学教授の白石(長塚京三)ら、山崎作品ならではの一癖も二癖もある人物が登場する。