ファッション

巨匠マリオ・テスティーノを追う 中堅記者のドタバタ取材記

 「僕の写真は僕の目だ。見たいものしか見ないし、それしか撮影しない」と公言する、マリオ・テスティーノの感情を遺憾なく発揮するポートレートは官能的で美しく、かつ挑戦的だ。スーパーモデル・ブームで被写体重視に傾向した90年代初頭のファッション写真から脱却し、力のあるイメージ重視の世界を作り上げた。彼は「グッチ(GUCCI)」や「ヴェルサーチ(VERSACE)」のキャンペーンビジュアルで時代の寵児となり、「ヴァニティー・フェア(VANITY FAIR)」では、故ダイアナ妃を撮り下ろし、これもまた高い評価を受けた。

 以降は、ケイト・モス(Kate Moss)に代表されるスーパーモデルや女優、政治家などのセレブリティから高い支持を得る写真家として、世界をけん引している。そんな、世界屈指の巨匠フォトグラファー、マリオ・テスティーノが来日し作品撮りを行うというニュースが舞い込んだのは桜が満開の4月上旬。彼を追った怒涛の2日間を振り返る。

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