「ギンザ シックス(GINZA SIX、以下G6)」にハウス オブ ディオール ギンザ(House of Dior Ginza)をオープンする「ディオール(DIOR)」は4月19日、2017年春夏のオートクチュールのファッションショーをG6の屋上庭園で開いた。G6の屋上庭園には、1月のショーでロダン美術館に特設した緑の迷路が一夜限りで再現され、その迷路をトップモデルのルース・ベル(Ruth Bell)やテディ・クインリヴァン(Teddy Quinlivan)らに加え、日本からは萬波ユカや松岡モナ、川島ミュウ、晶らが歩いた。招待客は水原希子や山田優らインフルエンサーや顧客、プレス関係者など約650人で、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)=LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン会長兼最高経営責任者やシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)=クリスチャン ディオール クチュール社長兼最高経営責任者がフロントローでショーを見守った。
ショーは、1月にパリ・ロダン美術館で発表したコレクションに加え、ラスト9ルックはマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターが特別にデザインしたクチュールピースで構成し、計67ルックを披露した。クチュール・コレクション同様に大きなフード付きの“バー”ジャケットでショーは幕を開けた。フードは、マリア・グラツィアにとって女性を“守る”ためのものでもあるという。「洋服は自分を表現するものでもあり、守るものでもある。最近は、自分をさらけ出しすぎないほうが良くなっているでしょう?もちろんあなた次第ですが。私がもし自分を表現するならそういった格好を選びますし、個人的な経験からですが、自分自身にもっと近付くために自分の中に籠もりたいときもあります。そういったときに自信を与えてくれる服でもあると思うから」。マリア・グラツィアは、「ディオール」のアイコンである“バージャケット”やドレススタイルに、メンズやスポーツの要素を取り入れ、エレガンスやフェミニニティーの新しい解釈を見せている。
今回のために特別にデザインされたルックのインスピレーション源は、ムッシュ・ディオールが1953年に発表した“ジャルダン・ジャポネ”と題したドレス。マリア・グラツィアはそれを現代的に解釈し、体のラインにしなやかに沿うドレスやジャケット、コート、フード付きのロングケープなどのアイテムに作り変え、桜の花や桜の花に舞う鳥のモチーフをのせた。「ムッシュ・ディオールは日本の伝統を深く理解していた。当時、彼は着物の上から羽織れるコートを提案しています。ムッシュ・ディオールは常にその土地土地に暮らす女性に合う服をデザインしていたのです。伝統を重んじながら、それらにマッチする新しいものをデザインしていました。その考えを引き継ぎ、私自身の視点を入れながら、調和のとれた服を作りました」とマリア・グラツィア。
なお“ジャルダン・ジャポネ”と桜の花に象徴される日本の伝統からインスパイアされたカプセルコレクションがG6で先行販売される。プレタポルテやバッグ、シューズなど60以上のアイテムで構成された特別なコレクションだ。