20日にオープンした「ギンザシックス(GINZA SIX、以下G6)」に蔦屋書店(TSUTAYA BOOKS)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が手掛ける初のギャラリー、ザ・クラブ(THE CLUB)が登場した。同ギャラリーは、“世界一のアート書店”がテーマの銀座 蔦屋書店(GINZA TSUTAYA BOOKS)に併設。日本の古美術をはじめ、世界中からコンテンポラリー作家の作品を集め、展示販売する。
6月末まで開催されるオープニング・エキシビションのテーマは“待宵の美”。“待宵”とは、俳句の世界で十五夜の満月の前夜を待宵の月として愛でる習慣のことで、移ろいゆく自然や季節に対する日本人特有の美意識を象徴している。今回の展示は西洋と東洋、コンテンポラリーアートと古美術をミックスし、異なる要素の中に共存する普遍的な美しさを提案する。パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトン(FOUNDATION LOUIS VUITTON)で期間限定インスタレーション「光の観測所」を手掛けたダニエル・ビュレン(Daniel Buren)の作品をはじめ、ミニマル・アートを代表するドナルド・ジャッド(Donald Judd)らの作品約20点を展示販売。価格は約100万~1億円相当までさまざま。
ザ・クラブでは年間3~4回エキシビションを開催予定だ。ギャラリー名は1949年ニューヨーク・ダウンタウンにあったギャラリーエイス・ストリート・クラブ(8TH STREET CLUB)の通称ザ・クラブから。このギャラリーは抽象表現主義のアーティストや批評家などの文化人が集い、アメリカに禅を紹介した鈴木大拙やアーティストの長谷川三郎など日本人がレクチャーするなど、東洋の美意識や文化を紹介する場所だった。欧米とアジアの橋渡しおよびアートを通じて人や文化が交わる場所を目指しG6のザ・クラブが誕生。キュレーションを手掛けるのは山下有佳子マネジングディレクターとベルギー人のチャールズ・リベール(Charles Libeert)=ディレクターだ。2人とも、サザビーズロンドン(SOTHEBYS LONDON)勤務経験があり、アートに造詣が深い。山下マネジングディレクターは「アートに関心のある若い人や、これからアートを集めようと思っている人に来てもらいたい」とコメント。ザ・クラブでは、プライベートセールやアートアドバイザリー・サービスなども行う。