ファッション

パルがマスボリューム市場に本腰 売上高1000億円めざす

 パルグループホールディングスは、マスボリューム市場で攻勢をかける。3~5年後の中期構想として、「チャオパニックティピー(以下、ティピー)」「ディスコート」のそれぞれで現在の4倍に相当する売上高300億円を計画する。ライフスタイル業態「コロニー2139」も400億円規模への多店舗化に乗り出す。この3ブランドで計1000億円の事業規模を狙う。

 20日に都内で行われた2017年2月期の決算会見で井上英隆・会長が明らかにした。社会の趨勢として「ユニクロ」「無印良品」「グローバルワーク」などが主戦場にするマスボリューム市場が今後も安定成長すると見て、スケールメリットで対抗できる低価格の大型ブランドを育てる。同社はファッションビルなどでミドル市場を狙った多ブランド展開を行ってきたが、こちらは一部整理する。井上会長は「当社にとって大きなチャレンジ。腹を据えて取り組む」と話す。

 「ディスコート」「ティピー」は現在50店前後を営業する他、ECが順調に伸びている。拡大計画の具体策は年内にまとめるが、既存の標準店舗面積231~261平方メートルを2倍に広げる考えだ。一昨年スタートした「コロニー2139」はアパレルだけでなく、生活雑貨を含めた大型ライフスタイル業態だが、店舗数は7店に過ぎない。井上会長は「前期も赤字だったが、承知の上でやっている。今のモードの強い個性を水割りのように薄めてマスマーケットで出店拡大を図る」という。

 同社はこれまで展開する40以上のブランドごとにバラつきがあった生産体制を改め、昨年秋以降は共通の生産プラットホームを使うようになった。多ロット生産や素材の共通化などスケールメリットを生かせるようにしたことで、下期(16年9月~17年2月期)の粗利率は大幅に改善した。この体制をマスボリューム市場向けの低価格商品に活用する。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。