ファッション

欧州発スニーカー「フィリング ピース」、アジア本格進出を狙う

 オランダ・アムステルダム発のスニーカーブランド「フィリング ピース(FILLING PIECES)」のギョーム・フィリベール(Guillaume Philibert)=クリエイティブ・ディレクターが、エストネーション六本木ヒルズ店で4月28日まで開催しているポップアップショップに合わせて来日した。ブランドは2010年にスタートし、現在では世界45カ国、約600店舗に卸している。価格帯は3万円前後。日本では伊勢丹、ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS)、ロンハーマン(RON HERMAN)など主要セレクトショップを中心に約10アカウントで取り扱う。また今回のポップアップショップに合わせたエストネーション別注のスリッポン(3万6000円)をはじめ、さまざまなメーカーやショップとのコラボを積極的に行っている。

 今やヨーロッパを中心にワールドワイドに人気を集めているが、ブランドは1型のスニーカーからスタートした。「『フィリング ピース』を始めたのは19歳の時。当時は建築系の学校に通っていた。『グッチ(GUCCI)』『プラダ(PRADA)』などのハイエンドなブランドが好きだったが、お金が無くて買えなかった。ローエンドな『ナイキ(NIKE)』『アディダス(ADIDAS)』にも飽きていたので、ハイとローのバランスがとれたスニーカーを自分で作ろうと思った。それがブランドのファーストモデル“ロー トップ”誕生のきっかけだ」とギョーム=ディレクターは当時を振り返る。この“バランスをとる”というアイデアが、その後ブランドのアイデンティティーとなっていく。「かかとのステッチや丸みを加えた形状などは、ラグジュアリーを意識したデザインだ。しかしスニーカーはすべてハンドメード。価格設定もミドルプライスを意識している。スニーカーのテイストも、さまざまなカルチャーがミックスした地元アムステルダムになじむように、バランスの良いデザインを意識している」。

 決して個性が強いデザインではないが、かといって普通でもない。そんな“バランスのとれた”スニーカーに、世界の人気ショップからコラボのオファーが続々と届いた。日本でもユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)、モンキータイム(MONKEY TIME)と協業し、徐々に知名度を広げていった。「日本人はスタイルがあり、ファッションの知識もある。欧米に比べてアジアはまだまだ可能性があり、日本は重要な市場だと考えている」。

 今後のビジネスについて、新たな計画があるという。「年間の売り上げは2~3倍で成長している。しかしここまで規模を広げるのは少し早すぎたと感じている。今は改めてブランドを見つめ直し、高い品質をキープしていきたい。近々、ウエアも発表したいと考えている。ウエアは大変なビジネスだが、5年後にはシューズと同じ規模を売り上げられるようにしたい」。

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