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「J. クルー」組織を大変革、苦境脱出なるか?

 「J. クルー(J. CREW)」は25日、リストラ計画を発表した。幹部級人事や、本社を中心とする正社員150人の削減などが骨子。本部機能のスリム化を図ることで、年間3000万ドル(約32億4000万円)の削減を見込む。一連のリストラに伴う費用として、2017年度の第1四半期に1000万ドル(約10億8000万円)を要すると見込む。

 幹部級の人事としては、トッド・スナイダー(Todd Snyder)の退任後、08年からメンズを手掛けてきたフランク・マイジェン(Frank Muytjen)が退職。メンズは社内のデザインチーム体制とする。72歳のミラード・ミッキー・ドレクスラー(Millard Mickey Drexler)会長兼最高経営責任者(CEO)体制は続くものの、マイケル・J. ニコルソン(Michael J. Nicholson)社長兼最高業務責任者兼最高財務責任者はさらに、「J. クルー」ブランドのトップにも就任。リサ・グリーンウォルド(Lisa Greenwald)が「J. クルー」のメンズとウィメンズ、キッズなどのチーフ・マーチャンダイジング・オフィサーに選ばれた。さらには「メイドウェル(Madewell)」の社長、「J. クルー」のチーフ・デザイン・オフィサーなども変え、組織を大胆に変更。26年勤務し、社長兼クリエイティブ・ディレクターまで上り詰めたものの、今月退任を明らかにしたジェナ・ライオンズ(Jenna Lyons)の穴を埋めつつ、大改革で組織の活性化を図る。業界筋からは、「今回の動きは、かつてない早さ」との声が上がっている。

 ドレクスラー会長兼CEOは、「消費環境はかつてない速さで変化しており、消費者はスピードはもちろん、便利さ、パーソナライズなど多くを求めるようになった。今回の変革は必要な変化であり、より大胆に前進するための戦略だ」と話す。

 ニューヨークに拠点を構えるJ. クルーは、本社で1000人の従業員が働き、278の「J. クルー」、115の「メイドウェル」、ECサイト、カタログ事業、179の低価格業態「ファクトリー ストアーズ」などを有している。同社は現在、15億ドル(約1620億円)の負債を抱えている。昨年の売り上げは、前年比3.2%減の24億ドル(2590億円)。既存店売上高は同7%減とさえなかった。比較的高価格帯という消費者のイメージを改め、デジタルに注力する考えだ。

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