東急電鉄は26日、複合ビル「渋谷キャスト(SHIBUYA CAST.)」を関係者に公開した。渋谷駅から約400メートル、明治通りとキャットストリートが交わる場所に建てられた地上16階・地下2階のビルで、オフィスや店舗、住宅で構成される。“多様なクリエーターが交わる場”をコンセプトに掲げて、ITやデザイン、アパレルなどの事務所を誘致するともに、フリーランスの人たちの拠点になるシェアオフィスを設けた。2~12階の事務所フロアのうち10フロアにベイクルーズが本社を移転し、正面広場の前には同社の飲食併設の新業態セレクトショップ、パルプ417 エディフィス(PULP 417 EDIFICE)が入る。28日に開業する。
施設の顔である1~2階がシェアオフィス。すでに全41区画が満室で、約200人のクリエーターが入居する。クリエーター同士の交流を大きなテーマにしており、マッチング、起業・法務支援などのサポート機能も用意している。
13~16階は賃貸住宅で、抜群の立地と渋谷の街を見渡せる眺望が売りだ。1Rから3LDKまで80戸を用意し、家賃は16万~70万円に設定する。国内外からの短中期滞在者のための部屋も設けた。ここでも交流の場として、居住者は共有のキッチン、リビングダイニングを利用できる。
グランドフロアは商業スペースに充てられており、ベイクルーズの「パルプ417 エディフィス」のほか、肉料理を目玉にするレストラン「ザ リゴレット(THE RIGOLETTO)」、スーパーの「東急ストア フードステーション」などが入る。グランドフロアの前のオープンスペースの広場では、各種のイベントも計画されている。
東急電鉄の西澤信二・統括部長は「単なる複合ビルではなく、高感度な人たちが集う創作活動の場として、渋谷キャストからさまざまなものを生み出していきたい」と話す。東急電鉄を中心とした東急グループは、渋谷キャストや渋谷駅の駅ビルを含め、現在、渋谷で7つの大型再開発プロジェクトを進めている。