国内最大の旅行代理店JTBとビームスは、協働プロジェクト「ジェイティービームス(JTBeams)」を発表した。国内旅行パッケージ「エースJTB」を企画・実施するJTBの旅のプロデュース力やネットワーク力に、セレクトショップとして国内外で培ってきたビームスの目利き力やセンスを掛け合わせ、「モノ・コト・ヒト」をキーワードに日本各地の魅力を伝え、地域活性化を目指す。
第一弾は九州の熊本・天草。東京・新宿の「ビームス ジャパン(BEAMS JAPAN)」では、天草の銘品を販売する「大天草物産展」を開催する。店頭では、写真家の若木信吾が撮り下ろしたタブロイド「LIFE IS A JOURNEY.九州と天草。」をビームス店舗と一部のJTBで配布。同時に開設したウェブサイト「BEAMS PLAY in 九州」では、ビームススタッフやインフルエンサーが実際に天草で体験した「モノ・コト・ヒト」を1分強の映像で紹介し、SNSでの拡散を狙う。
記者発表会には、大谷恭久JTB国内旅行企画・社長と設楽洋ビームス社長が登壇。大谷・社長は「これまでは、良質なコンテンツもお客さまに伝わりづらかった。協業することで、地域活性化に貢献することはもちろん、ビームスの提案力で新たなムーブメントを起こしたい」と期待をにじませる。設楽社長は「40年間、海外のいいモノを日本に紹介してきたが、今度は日本のいいモノ・コトを発信するために『ビームス ジャパン』を立ち上げた。日本の伝統工芸品からオタク文化まで伝えられるのが『ビームス ジャパン』。今では地方行政との繋がりもできた。JTBと協業することで、これまで店頭でしかできなかった企画にもさまざまなオケージョンで取り組めるようになる。日本を元気にできる媒介になりたい」と話した。
天草出身でもあり、ビームスジャパンのアドバイザーでもある小山薫堂はVTRで出演。「若者の旅行離れがささやかれるが、旅行に行かなくなったのではなく、観光をしなくなっただけ。ビームスという視点が入ることで、ただ観光地を巡るのではなく、その地に点在する本当におもしろいコトやモノを発見できる。天草も今までは観光的な面でしか取り上げられることがなかったが、僕が理想とする本当の天草の魅力を発信できることになった。これまで観光地が無いと言っていた街にも人を呼び寄せられるようなプロジェクトになっていくのではないか」とコメントした。
「JTBeams」はシーズンごとに異なる地域をテーマに設け、来秋冬シーズンも九州のいずれかの地域をフォーカスする。今後は、旅行商品の開発や新たな旅の仕組み作りにも取り組む予定だ。