百貨店大手5社の4月度販売は、三越伊勢丹が前年同月比2.9%減、高島屋が同3.1%増、そごう・西武が同1.5%増、大丸松坂屋百貨店が同1.2%増、阪急阪神百貨店が同2.8%増と4社が前年実績を上回った。引き続き主力の衣料品は苦戦したものの、インバウンド(訪日外国人客)による免税売上高や化粧品が大幅に伸びた。株高によって都心店ではラグジュアリー・ブランドなど高級品にも動きが出ている。
インバウンド商戦は特に関西で盛り上がりを見せている。高島屋は大阪店の免税売上高が63%増で、全店ベースでも37%増を記録した。阪急阪神百貨店の旗艦店である阪急うめだ本店は免税売上高が25%増で、特に化粧品を中心にした消耗品が6割増と急伸した。大丸松坂屋百貨店は、売れ筋が化粧品など単価の低い商品に移行したことで客単価は9.4%減だが、客数が42%増と大きく伸びたため、売上高は29%増で着地している。関西空港へのLCCの乗り入れ本数が増えたことで、中国だけでなく東南アジアからの集客も拡大した。
化粧品の好調も継続中だ。化粧品は免税売上高を除いても総じて2ケタ増で推移している。そごう・西武では「メイクアイテムが特に活発に動いた。化粧品の伸びが全体を引っ張っている」(同社広報)としている。
衣料品は気温の上昇に伴い、後半は盛り返したものの、まだ力強さには欠ける。三越伊勢丹は支店での苦戦が続いているものの、基幹店での催事などの仕掛けが奏功し、全体では前年並に戻した。大丸松坂屋百貨店は「婦人服は1.0%減。少しずつではあるが、下げ止まり感が出てきた」(同社広報)と説明する。